読書感想:大学で一番かわいい先輩を助けたら呑み友達になった話

 

 さて、お酒は二十歳になってから、適量を守って楽しみましょうと言う訳である。間違っても某ダイビングの漫画みたいな真似はしてはいけない。とそんな話題は置いておいて。飲酒という描写がラノベの中で出てくるのはやはり、大学が舞台になってからであろう。大学生になっている時は二十歳の時であろう。お酒というのは大学生にとってはコミュニケーションのツールである、とも言える。とこの作品はそんな、お酒の絡む大学生のラブコメなのである。

 

 

 

大学生活はより良いものにしようと努力はしてみるも、それまでのクラスカースト最底辺で身についた精神と性根は簡単には変えられず。結局ぼっちな、とある道場の息子、要。今日もボッチで宅飲みしていた中、お酒が足りぬと買い物に出かけ。その途中で出会ったのは大学で一番可愛い先輩、朱日(表紙)が悪酔いしてお持ち返されそうになっていた現場。勇気を出して助けに入り、一先ず彼女を家に連れ帰るも粗相をされて。

 

「これで今日見たこと、全部忘れてください」

 

札束と共に土下座をされるも、謝罪だけは受け取って。

 

 

「糸守君のこと、好きになってしまいました」

 

後日、彼女が家にやってきて。ライクの意味で好きになってしまったと告白され、安心できる相手と認識され。彼女と宅飲みする関係になる事に。

 

「好きなところ、また一個見つけちゃったなぁ♡」

 

「やらしーこと、想像したでしょ?」

 

彼女との宅飲みの中で判明していくのは、実は趣味が同じであると言う事。自分だけが知っていくのは、彼女の素顔。普段は誰にでも物腰柔らか、高嶺の花な彼女の、規約救砕けた本当の姿。

 

「―――・・・・・・私、糸守君のこと、本気で好きになってるじゃん」

 

そして彼女も知っていく。ボッチな彼の本当の姿。自分だけが知っていく。彼の誠実な姿。いつの間にか魅了されていく、惹かれていく、本気で好きになっていく。

 

「すみません、遅れちゃって!」

 

 

それは要の中でも同じ。否応なしに惹かれていく、彼女の為になら勇気を出せる。自分のせいで怪我をさせてしまったと心揺らしたままにパーティーに参加している彼女の元へ、傷ひとつなく駆けつけて。

 

「俺・・・・・・先輩のことが、好きです」

 

伝えるのは偽らざる真っ直ぐな気持ち。あなたの事が好きだという真っ直ぐな思い。周囲の思惑なんぞ知った事かと突き抜けて。彼女もまた彼に思いを伝えて。ずっと共に居たい、という二人の関係は始まっていくのだ。

 

お酒で酔って心開く、甘々でいちゃいちゃが楽しめるこの作品。甘々なラブコメが好きな読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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