読書感想:迷宮狂走曲2 ~エロゲ世界なのにエロそっちのけでひたすら最強を目指すモブ転生者~

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:迷宮狂走曲 1 ~エロゲ世界なのにエロそっちのけでひたすら最強を目指すモブ転生者~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、陵辱も鬱もまとめてしばき倒してただ自分の為、己の欲望のままに突き進む狂人、もとい主人公であるハルベルトであるが。前巻においてアーロンを始め彼の元に仲間が揃った事で、「迷宮狂走曲」というパーティーは結成されたわけだが、次にハルベルトが取る動きとは皆様は何であると思われるだろうか? 仲間を加え、更にその先へ、と迷宮を突き進んでいく事だろうか。

 

 

と言われると、そうではない。とりあえずRPGの常識的なものに当てはめて考えてみて欲しい。仮に一人だけレベルが高い人がいて、その人に合わせて迷宮に突っ込んでいったら、レベルの低い仲間がついていけなくて下手したらやられる、なんてこともあるであろう。即ち必要なのはレベリング、全体でのレベル合わせなのである。

 

「待ってください、すでに何かがおかしいです!」

 

前巻、隷属の首輪で服従させたエルを一先ずどうしたものか、と悩み。目を離す訳にもいかぬのでパーティーメンバーとして連れていくことに決め。更にアーロンの妹であるモニカも従業員としてやってきて。新たな仲間達のレベリングをする事に決める。

 

しかしそこは、狂人、もといハルベルト流。戦力差を縮める為にもまずは全クラスマスター、というおかしい前提から始まり、ボス部屋周回からスライムをわざと増殖させて淡々と、まるで機械の様に狩りつくしたり。更に効率よくいく為、わざと反動技を空打ちさせて瀕死になったりする仲間達の前、ハルベルトが注意を引き寄せる為に回避率を上げる踊りをしながら戦ったり。もはや邪教の儀式のよう、そして珍妙な装備のせいでもはや悪の秘密結社のよう。モニカが泡を吹いたり、エルが白目になって自虐したりするのを余所に、ハルベルトは推しをストーカーしたりして満喫しつつ。何だかんだ色々な意味で周囲に誤解を振りまきながら、やっとこさ準備が整って。下層に踏み込んで、そこで待っているのは迷宮の更に下への道の途中にある、とある街。

 

「なんだこの『個性の暴力団』は・・・・・・」

 

その街、その国とは「雄々津国」。「武士」と書いてムシと読む、頭だけが虫である人間達が独自の文明を築いている国。 今まで何人か訪ねてきた者はいても、その者達にとっては通り過ぎるだけの国。 しかしそれは、まだ未解明のマップや未経験のイベントが残されていると言う事であり、ハルベルトにとっては垂涎の的。 到着早々、水戸黄門みたいな面々に出会い、その変態的な行動に唖然としたりしつつ。ご隠居からの依頼を引き受け、更には誘拐されそうになっていた姫を助けた事で、お殿様より姫の護衛を依頼され、しかしご隠居の依頼の為に断り。善行値を下げないように立ち回る事を目指す。

 

だが、ハルベルトは知らなかった。この国でのイベント、政変を起こす魔物、アントクイーンの戦力を図らずしも彼等が一度壊滅させていると言う事を。 彼等の事が、モンスターよりもモンスターな魔物として伝わっていると言う事を。 勘違いで焦ったアントクイーンは、予定を前倒ししてしまった事で、原作のイベントが前倒しで発生し。

 

「(たぶん間違ってはいなかったんだろうね。まっ、主みたいな化け物が存在してたのが運の尽きってやつさ)」

 

しかし前倒ししたと言う事は、戦力が整っていないと言う事で。あっさりとハルベルトとご隠居の部下達、という名の外見変態どもによって鎮圧されてしまうのである。

 

更に面白く、レベルアップという準備をしつつも笑える今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

迷宮狂走曲 2 ~エロゲ世界なのにエロそっちのけでひたすら最強を目指すモブ転生者~ (オーバーラップ文庫) | 宮迫宗一郎, 灯 |本 | 通販 | Amazon