読書感想：カワイイけど慎重すぎるお嬢様の笑わせ方２

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前巻感想はこちら↓

　さて、世界の片隅でこっそりアオハル進行中、多くの人に見守られながら進む主人公であるカナトと、ヒロインであるハルのラブコメであるこの作品。前巻を読まれた読者様は、とても心温まられた事であろう。では今巻では一体、どんなラブコメが展開されていくのか。それを是非、今から見ていきたい次第である。

「お隣の部屋同士だから、二人だけの内緒にしましょうね」

季節は巡り夏休み、更に二人だけの時間が増える時節。案の定、ハルはまるでカナトの夏休みは全部貰うとでも言わんばかりにぐいぐいと迫り、彼への好意を隠さなくなっていく。どんどんと、どこかぶきっちょに彼へとアプローチを続けていく。

　その思いを受け、カナトの心はハルへと傾いたのか、否、彼の心は揺れていた。どこか臆病で、ハルにも負けぬ程のぶきっちょで、そんな彼は、ハルからの親愛を真っ直ぐに信じられずにいた。その思いを無論明かす事も出来ず、彼は悶々とした思いを抱えていたのである。

そんな中、プールの代わりと言わんばかりに二人で冰風呂に入浴したり、スイカを買ってきて二人で食べたり、共に水族館に出かけたり。夏と初めてを満喫しようと、二人で過ごしていく中。クラスメイトとの焼肉会、その後に福引で当てた温泉旅行券を切っ掛けに、二人の関係に波紋が巻き起こってしまう。

信じたい、けれど信じるのが怖い。好きなままでいてほしい、信じてほしい。思い合うが故にすれ違い、素直になれぬからこそ空回りし。けれどそれでも、伝えないといけない事がある。そろそろ臆病は越えるべき。だから今こそ勇気を出して。

「君のことが好きだっ！」

　伝えたい思い、それは君の事が一人の少女として好きであるという事。不器用を越え届く想いは、二人の関係に変化を呼び。恋人同士となった二人は、その関係に更なる甘さを加えていく。

温泉旅行、二人で混浴しながら花火を見上げたり。ボーリングで初めての結果を出して、まるで幼子のように喜びあったり。

何気ない初めても特別となる。ちょっとぶつかり合う事があっても、お互いの事を信じられるから、信じあえる。どうしようもなく愛してくれなきゃ嫌、そんな思いが溢れ出すのもまた青春の一興。特別に親愛もない、其れこそが特別であると言う意味だから。

「あたしは、カナトくんの恋人」

お互いの心に触れ、もっと特別になっていく。助け合いながら、もっと好き同士になっていく。それこそがこの二人の恋人としての形なのだ。

前巻にも増して甘く、更にこそばゆく仕上がっていく今巻。

前巻を楽しまれた読者様は是非。

きっと貴方も満足できるはずである。