前巻感想はこちら↓
読書感想:攻略できない峰内さん - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、前巻で非正規ながらも部員を迎え存続が決定した剛が設立したボドゲ部であるが。我らが先輩、風はかつて有名なTCGプレイヤー、「ワンターンキルウィンド」であった、というのは前巻を読まれている読者様であればご存じであろう。かつて世界ランキングも上り詰めた彼女。そんな彼女が、世界の実力者たちに記憶されていない訳もなく。そんな過去の因縁の一つがやってくるのが今巻なのである。
「お前もなに言ってんの!?」
いつも通り、部室で風と剛がわちゃわちゃして、その様子を由衣に撮られてしまったり。変わらぬ賑やかさの中、新たな厄介事の気配はすぐそばまで迫っていた。
「やっと、見付けたよ。久しぶりだね」
交換留学生として剛のクラスにやってきた少女、レイン(表紙左)。ジェンダーレスな格好をした彼女は、風と同じTCGプレイヤーであり「エターナルエンペラー」の異名を持っていた当時世界二位のプレイヤー。世界大会で実現しなかった勝負をしようと持ち掛けるも、あっさり断られ一旦引いて。風が肝を冷やしつつ、レインは彼等の日常に馴染んでいく事となる。
「ちょっと親しくしすぎじゃないか?」
ボドゲ部の方ではワードウルフや、NGワードゲームと言った、部員が増えて多人数で出来るゲームをプレイする事も増えて来たり。ホッケーマスクを被った不審者から、風と剛が追いかけられると言う妙な日常もあったりしつつ。 そんな中、風は剛と妙に距離が近いレインの事が気になっていく。剛としてはクラスメイトでもあり、日本には不慣れな彼女のサポートをしているだけなのだが。 それでも、何か気になって、もやもやが降り積もっていく。
その日々の中、いきなりやってきたのは生徒会が急に開いた全校規模でのゲーム大会。カードゲーム部門にレインと剛が組んで出場する事になる中。仲良く二人で向かってくるところに何か、イライラする事でもあったのか。由衣と組んだ風は、まだ錆びついてはいないと言わんばかりにワンターンキルをぶち込んで。二人纏めて地に叩き伏せていく。
「うわあ、なんだろね、この二人」
しかし得意げな風は、レインのとある行動で顔が歪むことになり。恋愛脳が暴走した由衣は相変わらずで。 またいつもの空気に戻っていくのである。
何も変わっていないように見えて、実は何か変わっている、かもしれない今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
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