読書感想:異世界と繋がりましたが、向かう目的は戦争です2

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:異世界と繋がりましたが、向かう目的は戦争です1 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、一巻が発売されておよそ一年と半年、幾度目かの延期を経て、やっと二巻が発売されたこの作品であるが。前巻までの話を知らぬ読者様はとりあえず上記の感想を見て来ていただくとして、とても簡単に分かりやすく言うなれば、科学的に作られた魔術を用い、繋がってしまった異世界と戦っているよ、あと簡単に人が死ぬよ、という感じである。

 

 

と、まぁそんな感じに割と地獄な様相に変じた地球のあちこちでドンパチ繰り広げ、上層部により戦場をたらい回しにされているこの作品の主人公、星名であるが。幾ら最強の力を持っていたとしても、戦争を止める手立ては持っておらず。故に今日も地獄めぐりするしかないのだ。

 

「誰に言ってる。これでも【ワールドクラス】だぜ」

 

前巻、裏切った最強の一人、ギルカルテの処罰がとりあえずしばらく休暇無しのお仕事と言う事になり。教育担当の最強、「トゥルー・マザー」の方面において諜報員の能力低下が問題として話し合われる最強たちの会議があった中。星名やリリカを投入し鼠一匹逃さぬ体勢で行われたジャングルの中での迎撃作戦。だがそれは、唐突な味方からの攻撃によりあっという間に大混乱、前巻で友人となったヴィンセントから齎されたのは、異世界側もどうも同じ事態になっているらしいという事。とりあえず投入されていた特殊技能戦闘員の一人を助ける事には成功するも。結局部隊は壊滅し。残った部隊を護衛し絶海の孤島に浮かぶ島に向かい、更には「トゥルー・マザー」の子飼いの部下と模擬戦をする事になったら、本気で殺しに来られて。どうもどんどんと、きな臭さは一気に増していく。

 

これは異世界からの攻撃か。否、これは身内の裏切り。「トゥルー・マザー」の教え子の最高傑作が裏切り、あまつさえ機密情報を持ち出して。裏切り者として認定されたそいつを追っていけば、異世界の人間とも繋がっていて。結果的に大獲りものへと発展していく。

 

「どれだけ多くの子供を育ててもお前の理想にはなれないよ」

 

ヴィンセントとも協力し、異世界の魔法使いを相手に激闘を繰り広げ。その果てに犯人の、彼からすれば下らぬ思惑に首を傾げて。最後は全ての元凶にその考え方の間違いを突き付けて。だけどその歪みは変わらずに。今日も世界は狂っていて、地獄は続くのである。

 

より多くの人間が簡単に死んでいく、地獄はさらに続く今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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