読書感想:転校先の清楚可憐な美少女が、昔男子と思って一緒に遊んだ幼馴染だった件7

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:転校先の清楚可憐な美少女が、昔男子と思って一緒に遊んだ幼馴染だった件6 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、この作品アニメ化が計画されているらしいが、大丈夫なのだろうか。巻が進むにつれて群像劇的な感じが増していって、恋模様が大分複雑化していく訳であるが多分一クールと仮定して、何処まで描けばキリが良くなるのだろうか。というのはともかく。前巻、春希の中で封じていたはずの思いが芽生え始めて。確実に何かが動き出していく気配はし始めた訳であるが、今巻ではどうなっていくのだろうか。

 

 

さて、それを語っていくとするが、画面の前の読者の皆様もお察しであろう。この作品における登場人物達、面倒なものを背負いがちであると言う事を。 ほとんど皆、抱えている。高校生の彼等には背負わせるにはあまりにも重すぎるものを。そんなものを抱えているからこそ、この作品における根底は割かしシリアスなのである。

 

「さっきのみなもちゃんの顔、似てたんだ」

 

そのような事情を抱えるものがまた一人。それはみなも。祖父と住む家で実質一人暮らしな彼女は、文化祭も迫り始める中でどこか体調が悪そうな様子を見せ。彼女の顔が過去の自分に似ていた、という春希の言に不穏めいたものを感じるも、中々踏み込むことは出来ず。一先ず助けを求めて来た時は助けになろう、という事を決意する。

 

「霧島くんって隠れた優良物件だよねー」

 

そんな中、始まるのは文化祭へ向けての準備。その中で率先して動き、面倒な仕事もこなして。更には心機一転、髪を切ってイメチェンもした隼人。そんな彼の良さが少しずつ周りの生徒たちにバレ始めて、女子の間で隼人の良さが注目を始めて。春希は思わず擬態を忘れてしまう程に動揺してしまい。彼女の中、焦りもまた少しずつ高まっていく。

 

だけど彼女の心に絡みつくのは、母親との確執。すれ違って、それでも心配かけまいと無理をしてでも笑って。

 

「そ。なら、おにぃがまた、そこから連れ出してあげなきゃだね」

 

そんな彼女の心をおぼろげながら感じ取って、それでも何も出来なくて。そんな中、妹の言葉に決意するのは、また彼女のヒーローとなる事。縛られるものから救い出す、あの日助けたように。それが出来るのは今、自分だけなのだから。その決意と共に、隼人は動き出していく。また、助ける為に。

 

文化祭編前編、様々な恋が動いていく中、隼人の次につながる決意が為される今巻。シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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