読書感想:ハズレ属性【音属性】で追放されたけど、実は唯一無詠唱で発動できる最強魔法でした2

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:ハズレ属性【音属性】で追放されたけど、実は唯一無詠唱で発動できる最強魔法でした - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で音属性というハズレ属性の価値の一端を示し、更には秘めた力の一端も晒したこの作品の主人公、アルバスであるが。画面の前の聡い読者の皆様ならお察しであろう。彼の忘れた過去の中、そこに何かの秘密が隠されていると言うのが鉄板な展開であると言う事を。そのお察しは間違えていない、しかし、それを晒してみればとんでもないものが出てくる。藪をつついて蛇を出す、どころか円環の蛇級なものが出てくるのが今巻なのだ。

 

 

 

「決闘祭で決闘を申し込む」

 

 

前巻の最後、ルルアリアを助けた事で彼女の傍に護衛として控える事となり。そんな彼等の元に近づいてくるのは、一年に一度のお祭り、「英雄祭」の季節。 幻影を飛ばしてきた、この国最高の魔法使い、第一王子であるザイールに決闘を仄めかされた、かと思えば冗談であったと揶揄われ。まぁとりあえず平穏にお祭りを楽しもうとする、といけばよかったのだが。

 

やはりハズレ属性、という彼の特色を疎む声はまだ多い。第二王子、ブレイデンの護衛である騎士、ガラテアに失礼に過ぎる言葉を多分に投げかけられ、黙らす為に決闘し、その力を見せつけ。 しかし彼の事を認めぬ国の大臣、と書いてクソな佞臣共の策略により、追放をかけてザイールと決闘する事となってしまう。

 

 

「決闘の場で貴方を待っています」

 

勝っても負けても追放、ならば第三の手。決闘の中で力を見せつけ、勝利せよ。 ルルアリアの魔術の協力を得、時の流れが異なる結界の中でエレノアと修行し。新たな技を携え、四属性を操るザイールとの決闘へ挑む。

 

死力を尽くし、何もかもを曝け出して、奥の手すらもこれでもかと遠慮なくぶつけ合い。その先に掴むは最大の成果、それでもまだ終わらない。ルルアリアを攫った一連の事態の黒幕が、使徒と魔物達を従えアルバスたちを迎撃する。

 

「本当に懐かしい。また会えるなんて」

 

最後の賭け、唯一の勝機をルルアリアの魔法にかけて。だが、未来から召喚されたアルバスは、人間のようで人間ではない、まるで超越者のような状態へと変貌しており。あっという間に使徒を片付けた未来のアルバスは語る。 この状態になるまで考え得る限り最悪の未来を辿った、未来のルルアリアは道を曲げてしまったという事。 それを防ぎたければ、アルバスの失われた記憶を取り戻せという事。 その場所として示されたのは、一見すると関係なさそうな場所が幾つか。

 

一体彼の過去に何が秘められているのか。世界観が一気に、大きく広がる今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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