読書感想:クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった5

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった4 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻の最後、真樹に対し夕が抱いた微かな思い、という展開があったのは画面の前の読者の皆様もご存じであろうと言う前提の元にこの後の感想を書いていく訳であるが。 どう考えても深めてしまえば友情崩壊、そもそも周回遅れ。その思いは絶対に叶う事はない、という訳である。ではその思いは今巻で炸裂するのか、と言うとであるが。今巻で炸裂する事は無いのである。

 

 

 

さて、では今巻では何が起きるのかというと。海の祖母、みぞれが住まう山奥の温泉郷への里帰りへの同行であり。現在は色々あって無職な海の兄、陸の背を押すと言う出来事なのだ。

 

一歩進みたいと願えど、一先ず段階をきちんと踏んでから。2人きりで旅行に行きたいと思うが、きちんと筋を通してから。朝凪家の面々にお願いを通すも、空の方は賛成を見せるも大地の方が難色を示し。その中、みぞれからの偶には顔を見せに来い、孫だけでも来いという連絡が入り。2人きりの旅行の代わりとして、温泉郷への里帰りに同行する事となって、陸も一緒に行く事となる。

 

たどり着いた温泉郷、面通しをしたみぞれから、真樹は一定の好感触を得。しかし三人が泊まる事になっていた旅館で待っていたのは、陸にとってはある意味因縁の相手。かつてフッてしまった幼馴染であり、今は離婚し、四歳の息子である零次を育てるシングルマザー。

 

2人きりの山道で変な空気になりかけたり、何気ない道を散歩したり、川遊びで水着を披露したり、更には二人で温泉に入ったり。 親の眼が無いからこそ、いちゃいちゃも跳ね上がっていく中。零次にひょんな事から懐かれた事で雫の事情を知る事となり。その流れで、陸の過去、フッてしまった事情を聴き、相談に乗る事となる。

 

 

そこにあったのは、ボタンの致命的な、だが只一つの掛け違い。しかしそれが、今の今まで引きずる事となってしまったもの。過去はやり直せないのか、もう一度始めることはできないのか。

 

「―――好きな人と一緒にいると毎日楽しいです、って」

 

いいや、遅い、なんてことはない。色々傷もついてコブもついてしまったけれど。それでもこの胸、流れる思いは変わらないのなら。擦れた大人であった陸は、今の輝く恋をする真樹だからこその言葉に背を押され。纏めて全部背負い込むことを選ぶ。

 

 

しかしその先、関係を一歩深めるその裏で。夕の中、誤魔化そうとしている思いが深まっていくのである。

 

更に深める中、その裏で何か嫌な予感が膨らむ今巻。シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。