前巻感想はこちら↓
読書感想:クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった2 - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、前巻でまるで歩くような速さで恋人同士となった真樹と海であるが、付き合いたてのカップル、というのはどうなるものか、と言われると私としては二通りなのではないかと思う。ラブコメにおいて主人公とヒロインが付き合いだしたらどうなるか。それまでの距離感で、もどかしくも初々しく恋人同士となっていくか。もしくはブレーキが外れて、一気に加速していくか、そのどちらかではないだろうか。
では真樹と海は、何方の方であるのか。それは今巻から明らかとなっていくのだ。
「俺の許可がないんだよなあ・・・・・・」
前巻の告白後、緊張の糸が途切れたとでも言うのか、真樹は風邪をひいて体調を崩し寝込んでしまい。心配した海と、その母親である空の手により朝凪家で看病を受ける事になり。はじめは病人と健常者らしく距離を取っている海だったが、気が付けばつきっきりで看病してくれるようになり。いつの間にか、まるで家族のように受け入れられる事となる。
「海のことを想う気持ちは誰にも負けないつもりですから」
空からも感謝される、海の感情を引き出してくれた事。母親からもお願いされ、ちょっと話を盛りつつも引き受け。気が付けば一緒に新年を迎え、父親との面通しも済ませてしまい。時に先走りかけて怒られたりしながらも、朝凪家の面々をもう一つの家族として。居場所を得る事で、どんどんとラブコメは安定していく。
「ただいま」
「おかえり」
当たり前の挨拶、それができるという事がどれだけ尊いのか、という事を。自覚するたび恋心は大きくなる。当たり前を重ねる度に、思いは深まっていく。
「うん。これからもずっと、俺は海のものだ」
海にバレンタインのお返しを送る為に、初めてのアルバイトに挑んだり。どんどんと変化した結果、更に注目を集める結果となっていって。少しずつ変わっていく真樹を見、海の心の中に浮かぶのは独占欲とやきもち。言いようによっては重い、とも言えるそんな感情も。全部が全部愛おしいと受け止めて。恋人同士として、更に絆は固くなっていく。
そんな彼等の周り、配置されるのは周りの者達の新たな恋の予感。そして今一度の、ちょっぴり不穏な気配。新学期という新たな時間が来るのを待つ中、果たして彼等を待っているのはどんなイベントなのか。
恋人同士としてアクセルが一気にかかりだす今巻、シリーズファンの皆様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。
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