読書感想:クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった4

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった3 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、今巻で真樹と海の恋人同士の二人は新学期を迎える訳であるが、新学期、そして進級と言う出来事について回るのは基本的にはクラス替え、というイベントである。普通のラブコメであれば、その時不思議な事が起こったと言わんばかりに、運命的に同じクラスになるものである。しかしここでよく考えてみて欲しい。そんな不思議な可能性を除けば、基本的にクラス替えというのはランダムなものである。

 

 

 

「うん。なかったな」

 

と、いうわけでやってきたクラス替えの時。真樹と海は別々のクラスとなる事となり。そして真樹と夕が同じクラス、という中々挑戦的な事態となってしまったのだ。

 

しかしそうであっても、二人の絆は変わるものではなく。僅かな空き時間を見つけて恋人同士としての時間を取ったり、新しいクラスでの海の友人に真樹が受け入れられたり。人間関係が小さく収束することなく、さらに広がりを見せていく。だけど新しい人間関係は、いい事ばかりではない。

 

その波乱の原因となるのは、真樹と夕の方のクラスメイトである、ちょっと不良気味な少女、渚。何に対しても不真面目、教師にも噛みつく遅刻常習犯。夕の再三の問いかけも無視し、周囲と壁を作る彼女。だけど迫っているクラス対抗の球技大会においては、彼女も参加する以外になく。担任によって半ば強引にバスケに割り振られ、夕たちとチームを組む事となる。

 

戦う事になるのは海たちのチーム。チームワークでは負けている、夕たちが勝るのは個々の技量。そのチームワークを乱す原因である渚は、実はバスケ経験者で高い技量を持つ、というのが試合の中で判明するも。足手まといだ、と言わんばかりに一匹狼を貫く彼女と周りの間に、更に軋轢が生じていく。

 

では一体、真樹はこの場合においてはどうするべきなのか。無論、海と一緒に居ることも大切である。だけど、今のクラスに彼女はいない。だから今は、このクラスを何とかしなければいけない。

 

大切なのは何なのか。本気になる事か、それとも。

 

「たとえお遊びでも、私は負けたくないから」

 

それはやはり本気になる事。例えお遊びであっても、負けたくない理由がある。ならば嫌いも何もかも一先ず飲み込んで。勝つためにもう一度お願いして、皆で一丸となっていくのだ。

 

 

だけどその先に待っているのは新たな厄介事。彼女が抱いた気持ちは、それはどこに繋がるのか。

 

舞台がガラリと変わり、新たな物語が始まる今巻。シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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