読書感想:スペル&ライフズ 2 恋人が切り札の少年はケモ耳暗殺者に襲撃されるそうです

 

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読書感想:スペル&ライフズ1 恋人が切り札の少年はシスコン姉妹を救うそうです - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で生き別れの妹である凜音を追い、戦いを始める事となったプレイヤー、駿であるが。「恋人」であるミラティアを始めとした「運命」シリーズを求める組織、「オラクル」と戦う事になった以上、彼の戦力アップは無論必要である。しかし彼は制約があるので、「運命」シリーズを味方につけるしかない。だがシリーズを集めると言う事は、それは「オラクル」の邪魔をする事に他ならぬ。

 

 

 

ではどのように味方に付けるのか、というとであるが。再び「オラクル」の手の者達との激突になる中、既に顕現している「運命」シリーズが姿を見せてくるというのが今巻である。

 

「変に期待するなよ。上手くいくとは限らねえし」

 

再びオラクルを追い始める駿。その耳に飛び込んできたのは副作用の代わりに運勢を引き上げる「チャンスアッパー」という薬。彼の元に姿を現したオラクルからの脱走者であり、同じ施設の出身である少女、千世。「チャンスアッパー」は自分のスキルから生まれた薬であり、「運命」シリーズを手に入れる為の策という事を明かした彼女のお願いを聞き、駿はその薬も追う事に決める。

 

「もう、いらないんだ。だから、捨てられたんだ」

 

 そんな彼の元に差し向けられた刺客、その名はルルナ(表紙)。「運命」シリーズの一つ、「月」の少女。暗殺に失敗した途端、所有権を破棄されて駿の元に残されるというどう考えても罠、な展開となり。とりあえず所有権を刻んだ駿は、ルルナと協力関係となり共にそれぞれの目的へ向かう事となる。

 

 

前巻で助けた咲奈と那奈の姉妹も巻き込んで、捜査が進む中。オラクルの実力者である竜使い、戌子と運命シリーズの主、兎々璃と激突する事になり、更には公安や顕現した「魔術師」まで絡む事となり。その最中、駿の前で一つの裏切りが明かされる。

 

巻き起こるのは、予期された激突。駿にかけられたのは派手なデバフ。

 

「俺だけ見ていればいい、俺は絶対にお前を裏切らない」

 

「―――ルルナの全ては貴方のものに」

 

勝負の鍵は何処にある、それは今、すぐ近くに。友達ではない、望まれた関係の形を。新たな、本当の意味での契約が結ばれ、ルルナは駿の従者として、懐刀として立ち上がる。覚悟を決め、本当に頼るべき縁を見つけた彼女が放つは、ハズレと呼ばれた力の本当の真価。それはミラティアの力と合わさる事で、更なる無敵へ駆け上がる。

 

しかし状況は一進一退、一つ奪って一つ得て。前巻で手に入れた「女帝」はまだ目覚めぬ中、新たな「運命」シリーズの気配が漂う。

 

 

前巻にも増して更に熱さあふれるバトルが見られる今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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