読書感想:迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について5

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について4 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 

 さて、前巻で明人は過去を乗り越え、シャーロットとの絆を盤石にしたわけであるが。このシリーズを読まれている読者様であれば何となくお察しではないだろうか。過去を乗り越えたとて、まだ明人を縛る鎖はある、という事を。それは養父、そしてその家。ラブコメの主人公が背負わされるには大きすぎるもの。ネコクロ先生の作品と言うのは、大概重いものを背負わされている訳であり。本当の意味で幸せとなるには、その呪縛をぶち壊さねばならないのである。

 

 

と、いうわけで。今巻ではそのもう一つの呪縛、明人の現在の保護者である姫柊財閥と決着を付けるために戦うのである。

 

「お嫁さん、です・・・・・・」

 

球技大会の後、一先ず養父である社長にお伺いを立ててみるも、返ってきたのはどう考えても彼の事を道具としてしか見ていないという答え。 心揺らし思い悩むも、シャーロットの夢を聞いたことで。改めてその未来を手に入れる為、考えなければいけなくなる。

 

 

「しっかりと考えてほしい。かわいい彼女のためにもね?」

 

彼の元にやってきた、今まさにプロになろうとしている友人、理玖にプロの世界へと誘われ。その可能性も考えるも、球技大会の映像がネットに投稿され、二人に否応なしに注目が集まり、炎上気味になってしまうと言う問題まで発生し。対処しなければいけなくなる問題が更に発生する中。どうすればいいのか、という思いを考えて。彼は一つ、動き出す為の決意を固める。

 

 

「だからこれは、友人としての頼みになる」

 

何も返せるわけじゃない、それでも友人として、助けてほしいと真摯に頭を下げ。それを望んでいた理玖や、姉替わりであった花音、そしていつもの仲間達の協力を得、断ち切るために動き出していく。遥か高みにいる養父を、交渉の席に引きずり落とすべく、武器の準備を整える。

 

 

だが、それだけでは足りぬ。彼はまだ子供、大人の世界には太刀打ちできぬ。なればその背に手を貸す者がいる。その者はすぐ近くにいる。シャーロット達姉妹の母、ソフィアがやってきて明人に手を貸し。実は姫柊財閥よりも凄い会社の社長であった彼女の力も借り、望む成果を引き寄せる。

 

「「はい、喜んで」」

 

その先に明らかになるのは、シャーロットとエマが明人の元にやってきた理由。彼の事を愛し、家族になろうとしていてくれた人が海の向こうにいたという事。 そして、二人の関係は一つ上のステージに進む。家族となるべき関係へ。

 

一度目は偶然であっても、二度目は奇跡、三度なら必然、四度目は運命。今まで積み上げてきた様々なもの、縁が力となり山場を越えていく今巻。シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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