読書感想:最凶の支援職【話術士】である俺は世界最強クランを従える4

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前巻感想はこちら↓

読書感想:最凶の支援職【話術士】である俺は世界最強クランを従える 3 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、随分久しぶりとなる新刊である今巻。前巻でノエルは自らのこれからの寿命をほぼ全て犠牲とし、魂を傷つけて辛くも勝利を掴み取った次第であると言うのは、画面の前の読者の皆様もご記憶ではないだろうか。前巻、何とか勝利を掴んだ事で手に入れた「七星」の末席と言う、夢の欠片。しかし、ノエルがこんなところで満足するわけもない。彼の望みは全ての頂点に立ち、覇道を掴む事。その夢の道は未だ半ば。だからこそ、ここで止まる訳にはいかないのである。

 

 

そんな彼に、更に注目が集まるのは当たり前であり。「七星」の就任式の場で皇帝へと闘技大会の開催を願い、一定の感触を得たノエルへと、切れ者な第二皇子、カイウスが接触を果たす。

 

 彼が持ちかけてきた後ろ盾となる提案を、後々の事を考えるならば受けるしかなく。しかし彼は、ノエルが貴族の落胤であるという事実を公表し、彼を「民衆」の英雄から、「貴族」の英雄にするという首輪を課してくる。

 

普通に考えれば今までのしわ寄せが来た、今までの手が取れなくなる致命的な一手。しかしそれすらも想定内と言うかのように、ノエルは主催者側として計略を巡らせ、新たな職業の力を手に自らも選手として出場を決める。

 

 その作戦に異を唱えるコウガもまた、ノエルを止める為に選手として出場を決め。だが、彼等の道を阻むかのように強者達は次々と舞台に上がる。

 

帝国最強のクラン、「覇龍隊」のサブマスターである「剣聖」、ジーク(表紙左)。「七星」の第三席、「百鬼夜行」を率いる孤高のマスターである「武神」、リオウ(表紙右)。ノエルに憧れを抱くと嘯く謎の少年、「死霊使い」のキース。

 

数多の実力者たちが舞台に上がり、己が武を極限まで見せつけ、我が世の春と言わんばかりに激突する。そんなお祭りの場、巡るのは数多の思惑。

 

強者を求める強者の思惑、ノエルへと縁談を持ち込んできた豪商の娘、ベルナデッタ(表紙中央右)の思惑、そして既に帝都へと忍び込んでいた「冥獄十王」が関わる「異界教団」の破滅への願い。

 

「俺の方が、おまえよりも強い」

 

 様々な思惑が裏で巡る中、神話の如き戦いは繰り広げられ。その戦いを利用する形でノエルの悪辣なる策は、四度目の炸裂の時を迎える。最初も最初から絵図を描いていた、結末を導くための策が。

 

しかし、一時的な頂点に立っても尚、それはまだ始まりに過ぎず。

 

ノエルの前に現れる因縁の敵、全ての始まりとなった王。

 

故に全ては、更なる激突は、命が簡単に散る地獄は。まだこれからなのである。

 

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