読書感想:七聖剣と魔剣の姫

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 さて、ファンタジー世界に於いては聖剣と魔剣、というものが存在することが多く、時に妖刀というものも存在している事がある。聖剣と魔剣、そして妖刀というものは時に読者の心の中の一部を擽る要素であると言う事は、画面の前の読者の皆様もご存じであろう。そして、この作品ではそんな三つの刀剣のカテゴリーが重要となってくるのである。

 

 

七本の聖剣、七本の魔剣、そして七本の妖刀。とある異世界において、「原初の刀剣」と呼ばれる計二十一本の刀剣が存在する。かの刀剣たちは惹かれ合うように一か所に集まり、千年に一度その力を解放し、天災を引き起こす。

 

 世界の全てを飲み込みつくす、かの天災を防ぐべく戦い抜いた一族がいた。かの一族の手により、妖刀のうち六本が破壊され。天災は防げずとも、最悪の結果を防ぐことは叶い。 そして、その一族の最強の剣士と呼ばれた少年、サクヤ(表紙左)は師匠である叔母から最後の妖刀を託され、千年後への眠りにつく。千年後、次の災厄を防ぐために。

 

師匠の手により眠りにつき、目覚めたのは天災まで三年の世界。目覚めた迷宮の中、出会ったのはアイリスという少女(表紙右)。七本の聖剣を所有する「聖薔薇騎士団」を有するフレイディル王国の王女であり、過去の事故により魔剣の一つ、「死の白剣」をその身に宿す、「呪われた聖王女」と呼ばれる少女である。

 

 彼女の護衛となってほしいという依頼を受け、その依頼を受け護衛として入学した魔法騎士学院。かの舞台で、魔術は使えずともその剣術の腕で、周囲の注目を攫って行くサクヤ。彼はこの学院で、目撃していく。世に伝わっていない「天災」の詳細と、そして千年後の世界に新たに存在する新たな脅威を。

 

「彷徨亡霊」と呼ばれる、ゴーストにも似た謎のモンスター。「魔法剣」と呼ばれる嘗ての世界には無かった魔法の媒介となる、世間の装備の常識となった剣。

 

様々な者を見、様々な強者と出会い。その中、サクヤはアイリスを狙ってきた魔剣の使い手とぶつかり合う事となる。

 

飲み込まれていく、地獄のような世界。立ち塞がる、過去の仲間達の亡霊。

 

その世界を晴らす切っ掛けとなるのは、世界に介入する「彼女」の意思。

 

彼女の意思を受け、自身を縛る鎖を切り払い。サクヤは己の中に眠る妖刀、師匠から受け継いだ最強の力を目覚めさせ、決着を導く。

 

「師匠。俺は、絶対に成し遂げますよ」

 

 だが、これはまだ始まりに過ぎぬ。まるで運命に導かれるかのように、惹かれ合うかのように。この国に、残る全ての剣は集結を始めている。だからこそ、本当の始まりはここから。大いなる戦いは、ここから始まるのである。

 

剣と剣でぶつかり合う、王道のファンタジーが好きな読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

七聖剣と魔剣の姫 (講談社ラノベ文庫) | 御子柴 奈々, ファルまろ |本 | 通販 | Amazon