読書感想:俺にだけ冷たい友利さんに裏アカ知ってると言ったら?2

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:俺にだけ冷たい友利さんに裏アカ知ってると言ったら? - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で君孝と梓の関係は少しだけ変わり、相棒同士という唯一無二の関係になった訳であるが。口ではツンツンなれど、頼れる存在が近くにいてくれるようになったことで梓がどう変わるのか。それは画面の前の読者の皆様も何となくお察しではないだろうか。それは勿論、ちょっとふにゃふにゃになっていく、言ってしまえば更にぽんこつに踏み込んでいく、と言ってもいい。

 

 

 

「少しは友利に楽をさせてやれてるはずだ」

 

前巻の最後から相棒同士という事で、君孝が梓から引き取った恋愛相談の依頼。その依頼を様々な方向を考えた上でとどめを刺して別れさせ、梓が新たな恋人候補を紹介すると言う形で解決に導き。結果的に梓がいい所だけ持って行ってしまう形をとる事で、彼女の中でもやもやが大きくなっていく中、迫ってくるのは学院主催のパーティ。相も変わらず裏アカでバレてるとも気付かずに、梓は距離を詰める計画を垂れ流す。

 

「もちろん。キミは私の大切な弟分だからね」

 

それを知っているが特に何も言う事はない君孝へ、一人の少女がとある相談を持ち掛けてくる。彼女の名は星羅。「みんなの憧れ」として慕われる生徒会長であり、君孝の幼馴染。彼女から持ち込まれた相談に、君孝は向かい合っていく中。まるで悪い事は続くとでも言わんばかりに、同時多発的に新たな問題が巻き起こる。

 

一つは、裏掲示板で高まりつつある君孝へのアンチの声。今はいいけれど、その内面倒なことになるのは確実で。もう一つは、君孝と気付かずネットで交流を続ける千冬と、梓のひょんな事からのすれ違い。

 

三つの問題に向き合い、全部が軟着陸できる妥協点を探す中。手を繋いで来たり、ハグしてきたりとぽんこつなりに攻めてくる梓のアプローチを躱す中、一つの事実が見えてくる。

 

それは、今、恋と言う色を挟むと梓にとっても、君孝にとっても悪影響となるという事。ではどうすればよいのだろうか。

 

「今の俺は、友利梓の相棒なんだ」

 

簡単だ。嫌われ者として、騙しきればいい。壮大な嘘に、とうの本人までも巻き込んで。一世一代の嘘で周りを騙す中、星羅の思惑さえも越えた方向に事態は傾き。そして、恋の方向性として新たな夢を見つけた梓は、結果として星羅の敵になる道を選ぶ。

 

 

当面の好敵手役も現れ、物語が本格的に歩き出していく今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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