読書感想:じょっぱれアオモリの星2 ズンダーにおいでよ

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:じょっぱれアオモリの星 おらこんな都会いやだ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、異世界でアオモリをやったらどうなるのか、という荒唐無稽を真正面からやった事で、方言が溢れすぎる独自性がこれでもかと出ている今作品であるが。前巻と今巻は一つのセット、と言っても過言ではないかもしれぬ。ではセットとなるなら今巻では何をやるべきか? それ即ち、前巻の騒動の真相追及。呪いをかけた相手の捜索である。

 

 

そしてこれももう一つ、王道のパターンであるが。往々にして敵が何かを狙うとしたら、それは主人公の周りに既にある事が多い、というのも時々ある事である。

 

 

それはともかく、前巻の騒動、独眼竜マサムネの暴走を解決し。東北地方最大国家であるベニーランドに、何か原因があるのではと推察しそちらへ向かう二人。しかしその道中、二人はズンダ―大公家からの半ば拉致的な招聘を受ける事となり。保護対象は明かせぬも、東の絶海にある完全禁則の地、マツシマの何処かに潜伏している何者かを保護して欲しいという依頼を受けさせられ、いずれ分かると言う言葉だけを渡され送り出される事となる。

 

「わい、しゃすねやづだな。わんつかでいいはんで黙ってでけ」

 

一先ずマツシマへ向かってみて、そこで出会ったのは、大公家の姫であるイロハとその騎士であるアルフレッド。マツシマに伝わる試練の攻略中である彼女に、自分の護衛に成れと依頼され。じょっぱりを発動させたオーリンがキレかけ、レジーナが様々な目的のためにそれを止め。結果的に二人は、イロハの護衛となる事になってしまう。

 

 

 だがしかし、レジーナのこの判断は結果的に大正解であった。順調に試練を攻略し、いよいよ最終試練の場で、黒幕の剣が牙を剥き。その思惑が明かされ、ズンダ―の方に従えられた魔物の大軍が向かう事となってしまう。

 

 

一先ず魔物の対処に向かい、マサムネの手助けを受け極大魔法をこれでもかと連発するオーリン。彼が対処している間に、イロハとレジーナ、ワサオは黒幕と激突する事となる。

 

黒幕が秘めていたのは、醜くも悲しき嫉妬の心。気付いていないイロハへの怒り。しかしそれは黒幕も同じ。ある意味似た者同士の激突の中、イロハを庇ったレジーナが致命傷を貰い。怒りのままにイロハがスキルを発現させ、黒幕をこれでもかと蹂躙する。

 

しかし、そこで誰にとっても予想外の出来事が起きる。不可解な現象からのレジーナの自動蘇生、それを見、狂喜乱舞する黒幕。だけど救いたいと願ったイロハの思惑は届かず、救えぬままに黒幕は不穏な一言を残し、荒れ狂う海へと消えていく。

 

 

新たな手掛かり、それは黒幕の不可解な足取り。新たな仲間としてイロハを迎え、彼等の新たな冒険がまた始まるのである。

 

本当の意味で騒動を終わらせ、またその先の謎を追う今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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