読書感想:史上最強の宮廷テイマー3 ~自分を追い出して崩壊する王国を尻目に、辺境を開拓して使い魔たちの究極の楽園を作る~

 

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読書感想:史上最強の宮廷テイマー2 ~自分を追い出して崩壊する王国を尻目に、辺境を開拓して使い魔たちの究極の楽園を作る~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、作者であるすかいふぁーむ先生が書きたいことは一通り書かれたと仰られている今巻。今巻においては一体、何を書くと言うのだろうか。それは妹であるシャナルの成長。ミリアもエリンも成長し、王であるユキアの周りに立つに相応しくなった。対し彼女はどうか。確かに強くはある、その比較対象は正に天上が如き存在であるが。だからこそ少しでも近づくために。成長を願う彼女が花開くのが今巻なのである。

 

 

「ユキアも随分王としての自覚が付いたように見えるな」

 

前巻、エルフを奴隷として酷使していたプルス帝国との決着がつき、各国がようやくユキアの力に着目し彼への接触を始める中。プルス帝国の皇帝、ロイヤーから届いたのは相談事に関する手紙。その相談事とは、帝国と長らく争いを続ける周辺諸国との和解の仲介役となって欲しいというもの。対価として軍務卿でもある娘、セシルを預けられ。ユキア達の国を訪れたセシルがとんでもない戦力差とカルチャーギャップに呆然となる中。気を取り直しセシルから告げられたのは三か所。南西のジャングル、南中央の砂漠の国、そして戦力の三割を割く魔獣が活発に跋扈する南東。その三か所を同時に攻略するために、ユキア達はそれぞれメンバーを分けて動き出す。

 

そこから繋がっていくのである、今巻の騒動が。ジャングルにいったユキアとセシルは、奥深くに存在する豚の獣人の国に接触し。砂漠の国へ向かったミリアとゴウマは、留学に行っていた末弟のギリアと、国の元首であるキリすと出会い。ジャングルに向かったヴァイスとアルスは、色濃く残る帝国への憎悪を目にする。

 

更に豚の獣人達を脅かす存在として現れるのは、魔族に使役される神獣、白虎。魔族に利用されるギリア、その彼を利用しようとするキリス。止める間もなく彼等は反旗を翻し、融和の為に戦いは巻き起こる。

 

「任せてください」

 

その要となるのは、シャナル。魔族に対する見せ札として動かねばならぬユキアの代わりに、白虎をテイムする事で無力化しなければいけない。彼女にとっては初めての大仕事、そう簡単に彼女の力は届かない。だけど、それでも。彼女は胸を張って、初めての大仕事に挑んでいく。ユキアが信じてくれた、その信頼を力として。

 

更なる成長と一つの結実がある今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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