読書感想:マッチングアプリで元恋人と再会した。2

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:マッチングアプリで元恋人と再会した。 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で翔と光の元恋人同士の割り切れぬ恋がまた始まった、かと思えばそうも言っていられない、という状況になったと言うのは前巻を読まれた読者様であればご存じであろう。割り切れぬ恋に絡むのは、今始まったばかりの恋。そこにあった恋、そこにある恋。果たして勝つのはどちらになるのだろうか、という状況が始まっていくのが今巻なのである。

 

 

わたしが忘れさせてあげます、と宣言した心の真意も気になるも、結局真意をつかみきる事は出来ず。測りかねる日々の中、翔は駅前で酔っ払い痴漢に絡まれそうになっていた女性を助ける事になったかと思えば、この出会いが奇妙な縁を繋いでいく事となる。

 

 後日、マッチングアプリを通じて知り合い、会う事になった「カエデ」というHNの女性。それは何を隠そう楓であり、しかも翔の親友である縁司の元からの知り合いだったのである。

 

縁司の方にも、楓に対して何か思う所があるのでは、という事を感じながらもそこに簡単に触れていくことは出来ず。その前に、翔は光と心とそれぞれに、何でもない関係同士として関りを深めていく事となる。

 

心とデートをする事となったら、アプリの割引イベントの為に仮の恋人として振る舞う事となり。何でもない関係だとしても、仮の恋人という所にお互い意識してしまい、ちょっともどかしくなってしまったり。

 

光とは、縁司と楓の過去を探る為に彼等の地元である淡路島へとドライブする事となり。若干喧嘩っぽいやり取りを繰り広げながらも、根っこにある繋がりを感じさせるように観光地を巡りながら。その中で、二人の過去を知ろうと探っていく。

 

探っていく中で見えるのは、彼等が抱えたとある事情。それを前に、お人よしである翔は助けたいと手を伸ばす事を選び。届かずにへこんでしまった時は光がその背を支え、もう一度、あの頃の葛藤を超えて二人は向き合う。

 

「でも、あの頃と全く一緒じゃないよ」

 

選ぶのは、もう一度やり直す事。でも前と一緒である訳じゃない。前とは確かに違う条件を設け、ちょっと違った立ち位置で二人は新たなスタートを切る。

 

その裏、翔を巡る三角関係もまた、心の本格的始動を切っ掛けに本格的に動き出していく。今のある意味凪いだ関係は心地よいかもしれない。だが最後に選ばれるのは一人、そしてそれを望むからこそ。一度動き出したのならばもう止まれないのである。

 

周囲の関係性も深まる中、本格的に始まる今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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