読書感想:双翼無双の飛竜騎士2

 

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読書感想:双翼無双の飛竜騎士 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で比翼連理の関係となった主人公であるフェリドとヒロインであるウィンディであるが、その関係は前途多難と言っても過言ではない。これでもウィンディは貴族の娘であり、平民のフェリドではまだまだ釣り合わなぬ。ではどうすればよいのか、というと答えは簡単、認められるしかない。帝国との戦争という武功を立てる機会はある、だがそう簡単にいかぬのも実情である。

 

 

何故ならば彼は、史上初である様々な竜を集めた「混成部隊」の隊長に任ぜられたから。文字通り初めての編成で成果を上げねばならぬ、故に求められるのは全く新規の戦術なのである。竜人化という諸刃の剣の切り札を持つフェリドの負担を減らす為にも。

 

「なんか、思ってたより大変なんだね、新しい部隊って」

 

が、しかし。まずはメンバー集めの時点で難航を極めていた。何故ならば、そもそも新たな可能性を示す為にはすでに強いメンバーを入れても意味はないから。ウィンディのような才能の原石を掘り出さなければいけなかったのである。

 

そんな彼は一つの出会いを果たす。その名はレミリー。王族にしか契約できぬ金竜、レンリルと契約しながらも、類まれなる集中力を持つ代わりに運動能力が落第点な第二王女。その類まれなる集中力に新たな可能性を感じ、さらりと誘って舞台に率いれる事に成功する。

 

それをよく思うウィンディでもなかった。彼女から見てフェリドは天性の人たらし、ならばレミリーは強力な恋敵候補。決闘を挑み剣の腕前では勝利せど、料理の腕前では敗北を喫し。ドタバタとやり取りを繰り広げつつ、時にフェリドと仲良くしたり。同じ部隊として仲を深める中、すぐに実戦は訪れる。帝国の前線基地への進軍、そこに混成部隊も参加を養成され。帝国の技術から開発した新たな武装で以て、打撃を与える事には成功する。

 

だが、その基地にはとんでもない鬼札が潜んでいた。強者との死闘を望む、帝国の「勇者」、スペクター。敵味方を巻き込む秘密兵器を駆りだし、黒竜に跨り。我が世の春が来たとばかりに、彼等へと牙を剥けてくる。

 

恐怖を押し殺し、レミリーが黒竜へと勇気を出して必殺の一撃を叩き込み。

 

「フェリドが隣にいてくれれば、どこまでだって飛んでいけるよ」

 

そして、再び竜人化へと踏み込んだフェリドの隣にはウィンディが並び立ち。騎士達の援護を得、二人の力を合わせた最後の一撃を叩き込む。

 

けれどそれで終わらなかった。帝国の大部隊に包囲され戦略上は勝利を得れど、因縁の発生は避けられず。そして次に竜人化したらまずい事になる、という事実がフェリドに告げられる。

 

類まれなる力を持っていても、一人では全てを為すことは出来ず。彼等は未だ未熟な騎士達。だからこそここから求められていくのだろう。竜人化に頼らぬ戦力、個々人の力を。

 

更に世界が広がり新たな関係も増える今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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