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読書感想：黒鳶の聖者３ ～追放された回復術士は、有り余る魔力で闇魔法を極める～ - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、前巻で「赤い救済の会」と呼び出された「魔神」を退け、パーティとして、シビラの相棒として。魔神を退ける事に成功したラセル達。だがしかし、彼等にはまだ救うべき者達が残っていると言うのは、ここまでこのシリーズを読まれてきた読者様であればご存じであろう。そう、かつての仲間達である。ジャネット（表紙中央）とヴィンス、かつて自分を追放した者達である。そして成果を上げ帰還した故郷であるアドリアでジャネットとの再会の続きから、今巻は幕を開けていくのである。
「ごめん・・・・・・。僕はもう、折れてしまったんだ・・・・・・」
初めて見る、いつも無表情ながらも自身に溢れていたはずの彼女の何かにひどく怯えたかのような姿。一先ず落ち着きがない彼女を受け止め、何とか落ち着かせ。ぽつぽつと彼女は衝撃的な事実を話し始める。
パーティを今、裏で操る謎の美女、ケイティ（表紙上）。彼女のよくつぶやく独り言が、どうもこの世界の常識の外の言葉らしいという事。
本当は自分が、聖女に憧れたが故にラセルを追放に追い込んだという事。
そして、ケイティの紹介でヴィンスの周りに集いだした謎の美女たち。その出自がどうもおかしい、そして新たな仲間が加わる度にヴィンスの中からラセル達幼馴染達の記憶が消えているらしいと言う事。
認識改編の魔術が予想され、ジャネットもまた自身の存在の認識があいまいとなり自分を信じられなくなり逃げてきたと言う事実。全ての事実を知る為には、ヴィンスに会うしかない。エミーとジャネットと別れ、シビラと共に勇者パーティ―が活動する街へと出向き。敢えて注目を集め、ダンジョン内へとおびき出し、ラセル達はヴィンスと再会を果たす。
その最中、シビラの知識により明らかとなるケイティの正体。それは「愛の女神」、キャスリーン。シビラの姉である女神、プリシラを引退させた因縁の敵。シビラとケイティの手の者が激突し合い、ラセルは操られるヴィンスと激突し。その最中、最高の仲間が援護へと駆けつける。
「―――勝てばいいだけ。特別な知識がなくても分かる、実に簡単な問題だ」
自らの本質を受け入れシビラにより力を与えられたジャネットが立ち上がり、ケイティへと一撃を叩き込み。だが、一瞬の隙を突き現れた魔王による援護の中、ケイティはヴィンスともう一人の仲間を連れ離脱してしまう。
だがしかし、希望は途切れなかった。ケイティの元から助け出した彼女の部下が口にしたシビラの姉の名前。それが新たな道標となるのである。
前巻から更に面白さ深まる今巻、シリーズ読者の皆様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。
黒鳶の聖者 4 ~追放された回復術士は、有り余る魔力で闇魔法を極める~ (オーバーラップ文庫) | まさみティー, イコモチ |本 | 通販 | Amazon
