読書感想:才女のお世話3 高嶺の花だらけな名門校で、学院一のお嬢様(生活能力皆無)を陰ながらお世話することになりました

 

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読書感想:才女のお世話2 高嶺の花だらけな名門校で、学院一のお嬢様(生活能力皆無)を陰ながらお世話することになりました - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、雛子や美麗といった上流階級のお嬢様たちの心を惹きつけその心を魅了してきた我らが主人公、伊月であるが最初に魅了されたのは雛子であったか、というとそれは実は事実ではない。最初に彼と出会ったのは成香(表紙)である。そんな彼女とのふれあいの中、伊月が自分自身がいつの間にか抱えていた問題に触れていくのが今巻である。

 

 

美麗のおかげで貴皇学院にも慣れ始めた頃、競技大会のお知らせが伊月と雛子の元に舞い込み。運悪く、彼等が出場する競技であるテニスのコーチがケガで離脱してしまった事により、コーチを探さねばいけなくなる。

 

 そんな中、伊月の元に助けを求めやってくる少女が一人。今巻のヒロインである成香である。彼女の悩みは去年の競技大会で活躍しすぎたせいで人間性を誤解され、友達がいない事。テニスのコーチをお願いする代わりに彼女の友達作りに手を貸す中。伊月は気が付かぬうちに、自身もまた遠巻きにされていたと言う事実を知ることになる。

 

「―――よくぞ辿り着いてくれました」

 

静音にも評価された、気が付かなければいけなかった事実。当たり前である。貴皇学院は確かに上流階級の子女が多いけれど、いわば中流階級と上流階級の間くらいの家系の子供達も数多い。そんな子供達にとって、(設定上)間くらいの家系である伊月が上流階級の出身である雛子や美麗ばかりと関わっているとどう思えるか。当然、距離を感じてしまうであろう。

 

 そう、今こそ必要だったのである。伊月もまた周囲と関り、友人を作っていくと言う事が。伊月もまた周囲との関係づくりを始める中、成香は伊月を巡り雛子と激突し、彼を心の拠り所に努力を続けていく。

 

「私にとっての特別は、伊月だけだ!」

 

そう、彼だけが特別だったから。幾ら大切なものを得ようとも、彼の特別性は揺るがなかったから。彼の幼いころから変わらぬその優しさが掛け替えのないものだと知っているから。そして、口下手だけれどそれでも真っ直ぐに、自分の言葉で伝えたい思いがあるから。

 

 問題に立ち向かい伊月が成長する中、成香もまた彼に導かれるように成長していく。そんな光がある中、更に恋が深まっていく今巻。

 

だからこそ面白い、だからこそ悦い。

 

シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。