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読書感想:S級ギルドを追放されたけど、実は俺だけドラゴンの言葉がわかるので、気付いたときには竜騎士の頂点を極めてました。 - 読樹庵 (hatenablog.com)
さてさて、前巻で自分だけのギルド、「ドラゴン・ファースト」を立ち上げて早々、様々な所から依頼が舞い込み、あっという間に頭角を現し始めたこの作品の主人公であるシリル。竜の言葉が分かるからこそ、誰よりも竜に寄り添い、竜と共に。そんな彼だからこそ、竜達と真の意味で相思相愛となれた。そんな竜達の誰一人が欠けたとしても、この躍進は無かったであろう。そう考えるならば、特にシリルの元にフェニックス種のドラゴンであるクリスがついているのは大きなアドバンテージとなる筈である。
シリルを「心友」と呼び絶大な信頼を置き、若き竜達を見守りながら時にからかう。そんなクリスの一番のアドバンテージは何よりも情報量。何度も転生を繰り返し生きてきたからこそ、人が知らぬ様々な事を知っている。
そんな存在から情報を聞き出し、シリルは新たな依頼へと挑み、表から裏まで様々な場所で活躍するのが今巻なのである。
前巻で依頼を受けた相手であるカトリーナの紹介を得た、彼女の家のお得意様からの依頼で活火山の火口にしかない宝石を取りに行ったり。
謎の男からの依頼で、禁制品の密輸に手を貸す事になり、更には安定した収入を得るために禁制品の製造に手を出してみたり。
表も裏も、まるで全てにその名を知らしめるかのように。前巻にも増して様々な依頼を受け、更にその名を知らしめていくシリル。
そんな彼の元、新たな仲間達は集う。自身や周囲の物を擬態させる能力を持つガルグイユ種のドラゴン、ユーイ(表紙下)。その力を借り、シリルの事を気にする姫様も姿を変え、ジャンヌという偽名で只人として参加する事となり。
そんな彼を待ち受けているのは、「リントヴルム」すらも失敗した依頼。ドラゴン牧場で発生した大事故、そこに取り残されたドラゴンを救い出すと言う依頼。
しかし、彼を待ち受けていたのはメンツにこだわるかつての仲間達の襲撃、そして人の業が生み出した悲しき竜。混成させられ、暴走し。殺してと願う竜を、殺す以外に道はなく。
「ああ、大丈夫だ。俺が守ってやるから、安心しろ」
しかし、ドラゴンを何処までも愛する彼がそんなバッドエンドなど許容するはずもない。賭けるはクリスから託されたとある道具と一縷の可能性。その賭けの先に待っているものは、是非皆様の目で見てみてほしい。
前巻と同じコンセプトで、確かに一つ面白さの高まる今巻。
前巻を楽しまれた読者様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。
S級ギルドを追放されたけど、実は俺だけドラゴンの言葉がわかるので、気付いたときには竜騎士の頂点を極めてました。2 (ファンタジア文庫) | 三木なずな, 白狼 |本 | 通販 | Amazon