読書感想:VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた3

f:id:yuukimasiro:20220116163357j:plain

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた2 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、既にこの作品も三巻を迎え、淡雪、若しくはシュワちゃんが所属する事務所、「ライブオン」のヤバさと言うものは画面の前の読者の皆様も大体既にお察しであろう。しかし、自らのヤバい部分をこれでもかと曝け出し受け入れられている彼女達は正に人生を謳歌している、輝いていると言っても過言ではない。そんな彼女達に憧れを抱いている者がすぐ側にいる、と言ったら画面の前の読者の皆様は誰の顔を思い浮かべられるであろうか。

 

 

その彼女の名は晴。伝説のライブオン一期生であり、全ての始まりとなり後に続く未知を築き上げた彼女。今までは運営との二足の草鞋生活を続けていた彼女の内心に触れていくのが、今巻である。

 

 しかし、無論それだけではない。前巻にも増していい意味で酷い、もうとんでもないドタバタが繰り広げられるのが今巻である。

 

唐突に持ち掛けられた晴とのコラボ。初めての彼女がメインとなるソロライブへのサプライズ出演。いきなり与えられた大役に勇み、準備をしていく淡雪。

 

「すごいなこの店、そこらのエロショップの方がまだコンビニエンスしてるじゃん」

 

その途中、シオンが企画した大型企画「Lー1グランプリ」に聖と共に「放送事故ンビ」として出演し、「コンビニ」というお題でシオンがツッコミ疲れる程のはちゃめちゃな即興劇を巻き起こし。

 

「これだけかわいいのなら付いてる方がお得!」

 

はたまた、初めて持ち込まれたお酒の擬人化×アイドルなアプリゲームの企業案件でシュワちゃんとして安定の暴走を繰り広げたり。

 

ライブオンへようこそ、エーライちゃん!」

 

更には後輩であるエーライとホラゲでコラボしてみれば、彼女のヤクザの組長的な一面を期せずして引き出してしまったり。

 

 ちゃみの思わぬ性癖を垣間見たり、有素とましろの間で取り合われたり。相も変わらず賑やかな日々を送る淡雪。そんな彼女の眩しさは、晴の心に届いていた。彼女の心に淡雪への憧憬を芽生えさせていた。淡雪が晴に憧れる様に、晴もまた淡雪に憧れを抱いていたのである。

 

「お願いシュワッチ、私の我儘、聞いてくれない?」

 

本番となる大舞台、淡雪も知らぬサプライズの仕掛けられる先。今まで様々なものを背負ってきた晴は我儘になり、後輩たちと同じ舞台へ立ちたいと羽ばたいていく。己の心の殻を破って、己の望みに忠実に。

 

 更に面白さに貪欲に、真っ直ぐに。更なる面白さが始まる今巻。しかし、次なる不穏の予感はすぐそばまで迫っている。

 

果たして彼女の危機への対処法とは。この続きが早めに読める事を願う次第である。