読書感想:レベルリセット ~ゴミスキルだと勘違いしたけれど実はとんでもないチートスキルだった~2

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前巻感想はこちら↓

読書感想:レベルリセット ~ゴミスキルだと勘違いしたけれど実はとんでもないチートスキルだった~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻の感想で私はこの作品の世界観を痛みと苦しみに満ちている、と評したのを覚えている。それは今巻でも確かな事実として圧し掛かってくる訳であるが、そんな世界に救いはあるのか。その答えの一端が示されるのが今巻であり、すぐ近くに案外あったその正体が明かされるのが今巻である。

 

 

前巻の騒動から何とか逃げおおせ、ニナやフォーロックに矢面に立ってもらう事に歯がゆさを覚えながらも何とか、スカーレットの屋敷まで落ち延び。しかしそんな中、ラグナスの愛馬であるルーシィが突如体調を崩し、その身に重い呪いがかけられている事が判明してしまう。

 

 解呪できるのは、未だ習得できていない虹スキル。万能の霊薬と同じ名を持つスキル「エリクサー」のみ。そのスキルを持つのは、風崖都市にいる筈のかつての王族の末裔のみ。スカーレットの指示によりニナを残し、フォーロックと共に潜入する事になるラグナス。しかし、彼は未だ知らなかった。その指示の先の結果が、全てスカーレットの掌の上であったことに。

 

風崖都市を揺るがす謎の病、石化病。その裏で踊るは謎の芸団、「ロンド芸団」。ひょんな事から目を付けられ、芸団の舞姫であるルリエルから襲撃を受けるラグナス。何とか戦いを乗り切り、彼女を尋問して得られた情報。それは堕ちた聖獣、ヒュドラが事態の黒幕であると言う事。

 

だが、ヒュドラすらも事態の黒幕ではなく。手に入れたスキル、「エリクサー」の代償で動きを止めるラグナスの目の前、真の黒幕が牙を剥く。

 

一瞬遅かったのならば間に合わなかっただろう、自分が気付けず背負わせてしまった痛みだってある。だけど、それでも。ボロボロの身体を押して、ラグナスは再び立ち上がる。

 

 そしてその戦いの果て、愛馬の解呪へと挑んだラグナスの目の前に待っていた結果。

 

「ずっとそばにいてくれてありがとう」

 

それは、失ったと思ったはずの大切なものがすぐ近くにあった事。ずっと傍で、どんな時でも見守っていてくれていた、という事。

 

失ってばかりのこの世界で、確かに得られたものがある。そして取り戻せたものがある。今再び、この手に得た大切なもの。その大切さを嚙みしめるラグナスに示される新たなる指針。

 

それは英雄最期の地に眠る、虹色のスキルたちを目覚めさせる力。

 

真実の一端が眠る地、そこで待っている展開とは。

 

前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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