読書感想:史上最強の宮廷テイマー ~じぶんを追い出して崩壊する王国を尻目に、辺境を開拓して使い魔たちの究極の楽園を作る~

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 さて、この世の中には「縁の下の力持ち」なんて言葉がある。そして、欠けてしまっては致命的な影響を齎す歯車、というのも確かに存在している。例えば社会の職場において、特に大した立場にいるわけでもないけれど、もし欠けてしまっては職場の運営に多大な影響を与えうる人材も確かに、存在している場合もある。

 

 

ではもし、そんな存在が欠けてしまった場合、一体どうなってしまうのか。それはここまでの前書きを読んでいただけていたのなら、もうお分かりであろう。崩壊の引金を引く、という事に他ならない。

 

 そんな存在こそが、この作品の主人公であるユキア(表紙左)である。そんな存在である彼が、元いた立場からの追放を切っ掛けに、「魔王」とまで呼ばれかねぬ立場まで成り上がっていくのが今作品なのである。

 

とある異世界のとある王国、テイマーの名家の跡取りとして、爵位持ちの宮廷テイマーとして働く中。無能な同僚や上層部の陰謀により国外追放処分の鬱き目にあってしまい。ユキアは王都を北上し、未開拓の辺境を開拓し己達だけの国を作ることを決める。

 

 家族である妹と母、そして頼れる執事を連れ辺境を目指す中。ユキアは規格外のテイマーの力を存分に発揮し、想像以上のスピードでどんどんと進んでいく。対し、彼が属していた王国はどうか。彼を追放してしまった事で、崩壊の一途を辿っていく事になってしまうのである。

 

「兄さんが魔王と呼ばれる日はそう遠くないでしょうね」

 

道中の村を困らせるゴブリン達を纏めてテイムしてみたら、あっという間に多種多様な魔物達からの忠誠を集め。辺境の開拓を始めたと思えば、エルフ達からの訪問を受け、同盟を結ぶことになり。神獣をテイムし、圧倒的な力を得る事になり。

 

対し、王国はユキアのテイムの影響から外れた魔物や動物達の暴走により、手の付けられない混沌を招き、どんどんと崩壊していく事になる。

 

 エルフの国や鬼人達の国と友誼を結び、神獣達を従え。自身を慕う王国の第二王女、ミリア(表紙右)達とも合流し。あっという間に大きく、強くなっていくユキアの王国。その国を狙い、迫り来るのは元の勤務先である王国の愚者たち。ユキアの本当の力を知らず、侮るばかりの愚者たちに果たして勝ち目はあるのだろうか。

 

もうお察しであろう、そんな愚鈍なる者達の集まりの国に勝ち目などあるわけがない。そして、ユキアという魔王とその仲間達の逆鱗に触れた者達に待つのは只一つ、破滅の結末のみである。

 

「なるべく続くように、頑張るよ」

 

ならばやることはもう一つだけ、長寿なる安寧と繁栄を。ただそれだけ、である。

 

なろう的追放ものの王道の面白さのあるこの作品。

 

なろう的な作品が好きな読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

史上最強の宮廷テイマー ~自分を追い出して崩壊する王国を尻目に、辺境を開拓して使い魔たちの究極の楽園を作る~ (ダッシュエックス文庫) | すかいふぁーむ, さなだ ケイスイ |本 | 通販 | Amazon