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読書感想:モブから始まる探索英雄譚1 - 読樹庵 (hatenablog.com)
問:ダンジョン探索における醍醐味を一つ答えよ。・・・この問いに対する正解は各々で持ち合わせている答えを当てはめていただければ正解となる筈なので敢えて何もいう事は無い。だが、画面の前の読者の皆様の中でも「仲間を作って仲間とのダンジョン探索」と答えられる読者様も一定数おられるのではないだろうか?
そう、仲間である。無論海斗にだって頼れる仲間はいる。シルフィーとルシェリアという頼りになる使い魔達がいる。が、しかし。その強大に過ぎると同時に貴重性が高い彼女達の力は、そう簡単に人前に出して良い物ではない。
そして、彼女達の力が無ければ海斗もまた、成長は始めているけれどまだまだ弱小の域から抜け出せていない探索者。故に、今巻で新しい仲間が出来るのは彼の成長という意味においても、必要な事なのであろう。
どんどんとダンジョンを突き進み、ようやく一つ段位を上げた海斗が参加するのは、「大規模討伐戦線」。見ず知らずの探索者達と日ごとにパーティーを変えながら進んでいくダンジョン探索。
そんなある日、彼と組んだ女性だけのパーティから齎された本格的パーティー結成のお誘い。
パーティメンバーは三名。海斗と春香の志望大学の先輩でもある薙刀使いの前衛の愛理。年下の後輩の魔法使いのヒカリンこと光梨。そして同級生の中衛担当、スナッチと名付けられたカーバンクルと共に戦うミク(表紙左)。
結成された新たなパーティ、其処で求められるのは司令塔としての役割。シルフィーやルシェリア達とは勿論違う、彼女達を使えぬからこそ求められる新たな戦い方。
同時に、シルフィーやルシェリア達を育てない訳にも勿論いかず。時にいつもの三人パーティで、またある時には新しい四人パーティで。こつこつと少しずつ、ダンジョンを探索していく海斗。
努力は決して裏切らず、成長と言う成果を彼へと渡す。魔剣の新たな使い方を始めとし新たな戦闘スタイルを見つけ、更に力を上げていく。
だが、それだけではない。順調にはいかせぬとばかりにダンジョンは彼へと牙を剥く。彼は一体、何らかの運勢が低いのか、それとも厄介事の神様にでも愛されているのか。そう言わんばかりに、本来の階層よりも十数階層先の魔物が現れたり、挙句の果てにはスタンピードに襲われたり。次々と危機的状況が襲い掛かり、ギリギリの死線が続く中を駆け抜けていく。
「シル、女だな。喋り方とか話の振り方が怪しすぎだな。あれでバレていないとでも思ってるのかあのバカ」
そんな彼の周り、人間関係は少しずつ動き出す。自分達以外の女の影を感じてシルフィーとルシェリアが不機嫌になったり。
「高木くん、今の綺麗な人とはどういった知り合いなのかな?」
更にはダンジョンで綺麗な女の子との繋がりが出来たと知った春香が、ブリザードの幻影が見えるレベルで不機嫌になったり。
が、海斗は気が付かぬ。この調子であればまだ先は長いのかもしれない。
確実に面白さの段階が上がり、複層的な面白さへと変わっていく今巻。
前巻を楽しまれた読者様、やっぱりダンジョン探索ものが好きな読者様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。
モブから始まる探索英雄譚 2 (HJ文庫) | 海翔, あるみっく |本 | 通販 | Amazon