読書感想:究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら4

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前巻感想はこちら↓

読書感想:究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら3 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻の最後にヒロが置かれた状況を改めて振り返ってみると、借金苦に仲間達の闇堕ち、とまぁとんでもないものである。詰んだという言葉の最上級と言ってしまっても良いものである。現実世界では佐奈子という謎の少女に脅かされ、ゲーム世界ではどん詰まりの状況に脅かされ。こんなどうしようもないこの状況、果たしてどう攻略すればよいのだろうか。

 

 

日々増える借金に悩まされ、更にはミザリサやアリシア達の襲撃を受け。唯一味方になってくれるエイミに助けてもらいながら町からの脱出を目指すヒロ。

 

が、しかし。突如として彼の目の前、NPC達の挙動がバグるという謎の現象が発生し、もう本当にどうしようもない、お終いと言ってもいい状況になってしまう。

 

「そろそろ止め時じゃねぇかな」

 

彼へと齎されたエイミの提案、それはキワクエなんて止めてしまおうというごく当たり前の提案。いっそ心が折れかけていたヒロは、一度はその提案に乗り、止めようとしてしまう。

 

だが、彼の前で全ての事実は崩れ出す。彼に齎されたのは衝撃の真実。この事態全ての裏で糸を引いている黒幕の存在。

 

 そう、クエストはまだ終わってなどいない。事実に繋がる全ての伏線は、既にもう示されている。全ての事態の黒幕となる者、それは既にそこにいる。

 

「!! ゲームをクリアさせる気あるの!?」

 

そこに秘められていたのは、開発陣の鬼畜過ぎる思惑。本当、何食べていたらこんな事思いつくのか、と問いかけたくなるほどに。何処までも鬼畜、かつ外道を極めた、もはや悪意しかないこのゲーム。

 

画面の前の読者の皆様、お忘れではないだろうか。この「極クエスト」なるゲームは、やっぱりどこまでいってもクソゲーであるという事を。こんな事ばかりやってるからユーザーに嫌われて離れられてもおかしくはない、と言わんばかりに真実の一端を知れるのが今巻であり。

 

「気付いたんです。あのままクリアしても意味がないって」

 

そして、運営が想定したクリアの方法も自分の意思で否定し、正道ではない道を往く。敢えてキツいルートへと踏み込んでいくヒロの、その迷いのない成長と活躍が確かな面白さを見せてくれるのが今巻なのである。

 

前巻を読まれた読者様は、今巻も是非セットでみてみてほしい。前巻と今巻、合わせて一つの事態なのであるから。

 

前巻を楽しまれた読者様、このシリーズのファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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