読書感想:究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら3

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前巻感想はこちら↓

読書感想:究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら2 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、この作品は自分でもいまだに信じられないが、今現在本当にアニメとして放送されているらしい。自分の住んでいる地域では映らないので私は見れていないのであるが、見れていると言う読者の皆様はどうか楽しんでいただきたい。

 

ではこの作品は一体、今巻では何処へ進んでいくのか。それを語っていく前に、まず皆様にお忘れではないだろうか、という意味を込めてもう一度確認したい。この作中で扱われるゲーム「極クエスト」はまごう事無きクソゲーである。読者である我々もイラついてくるほどに、これでもかという程のいい意味での悪意が込められたクソゲーである。そんな世界で、全てがすいすいと進む、そんな訳があるだろうか。

 

 今の文面に疑問を覚えられた画面の前の読者の皆様。貴方方は何一つとして間違ってはいない。人生とリアルを追求したこのゲームが、そんな簡単に進む訳がないのは勿論明白である。

 

「行き止まりだぜ! テスラ!」

 

かつては黒幕の思惑に乗せられまんまとそこで行き詰まってしまったテッドの町。もう二度と負けはしない、そんな思いを込めてリアルでも身体を鍛え上げ、今度こそと掴んだ勝利。

 

が、悪は滅んでもまた悪が現れ、後釜に座るのは自明の理であるのかもしれない、何故ならリアルなのだから。アモスやボブ、キャシーが邪悪な一面をのぞかせるという後味の悪い結末の中、ヒロはレオナやアリシア、そして異端審問官を辞めたミザリサを連れ、新たな街であるミスティンの街へと向かう。

 

 道中、多くのプレイヤーの心をへし折ってきたゴブリンの群れに襲われる事もなく、男を執拗的に襲うオーク達が暮らす森も抜け。今までの道程が、何だったのかと思う程に簡単に辿り着いた、ミスティンの町。

 

だが、ここでいよいよゲームの悪意が牙を剥く。そもそもこの町は、過疎と厳しすぎるゲーム性が故に誰もここまで辿り着けぬ終わる、ある意味何の情報もない町。

 

新たなリアルのプレーヤー、ショウゴやエイミ(表紙)との出会い。そして三ザリサとのお別れ。

 

 が、ここでヒロもまた忘れていたクソゲーの狂気が顔を出す。普通のゲームであればNPCの仲間を変更するのはよくある事。では、このゲームでそれを為すとは一体、何を齎す事になるのか?

 

新たな敵の出現、そして金欠になってしまった事により魔剣まで売り飛ばしたことによる、弱体化とアリシアの再びの闇落ちのコンボ。

 

現実世界までも、佐奈子という手紙でしか接してこない謎の少女により狂気に侵略されていく。

 

一つ危機を乗り越えても、また新たな危機はすぐ来る。我が世の春、それはまさに胡蝶の夢

 

一歩進んだのも束の間、再びどん詰まりに陥る今巻。

 

前巻を楽しまれた読者様、シリーズファンの読者の皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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