読書感想:痴漢されそうになっているS級美少女を助けたら隣の席の幼馴染だった4

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前巻感想はこちら↓

読書感想:痴漢されそうになっているS級美少女を助けたら隣の席の幼馴染だった3 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 嘘をついたは誰のため、何のために約束を捻じ曲げた? 前巻の最後、姫奈のついていた嘘。それはもう、前巻を読まれた読者の方であればご存じであろう。

 

それもまた、幼馴染であり大好きな相手である諒の為。彼に自分に振り向いてほしいから。だからこそ、彼女は嘘を吐いた。ついてしまったのだ。

 

「・・・・・・ひーなのこと、どう思ってる?」

 

来る夏休み、姫奈を主役に、学園祭へ向けて始まる自主映画製作。

 

その準備の最中、問いかけられた気持ちは諒の心を揺らし。

 

「・・・・・・諒は、私の事が好きだったのに―――」

 

藍の終わった筈だった、けれど終わりから引っ張り出された恋が再び燃え上がる。

 

そして始まる夏休み。諒は映画製作へ向けてのちょっとしたバイトをしたりする中、藍の今まで知らなかった側面へと触れていく。

 

彼女が生き馬の目を抜く芸能界で、どう生き残ってきたのか。彼女の今の性格は、どう育まれてきたのか。

 

 少しずつ、何かが綻ぶように変わっていく諒と藍の間の関係。それに負けじと、もう止まれないと言わんばかりに更にアプローチの圧を強めていく姫奈。

 

「わたしは、キスはセーフだと思ってる」

 

まるですがるかのように、誘うかのように。揺れる諒は思い悩む。彼女達に好意を寄せられるだけの何かが、自分には果たしてあるのか。

 

けれど、もう諒だって止まれない。何もない、それだけではいられない。

 

俺は、じゃない。 俺も、だ。

 

俺も何かになるんだ。

 

「諒くんは褒めてくれるけど、本当はわたし悪い子だから」

 

「キス・・・・・・してもいいですよ」

 

自分のズルさに落ち込み、それでも諒に甘える姫奈。再び自分にも好機を、と言わんばかりに巻き返しを始める藍。

 

そして、二人の間で心揺れながらも何かになろうともがく諒。

 

本格的に始まる、姫奈と藍。幼馴染同士の、譲れぬ心のぶつかり合う対決。火花ぶつかり合う狭間におかれ、彼女達の成長を目にし、自分も乗り遅れないようにと駆け出す諒。

 

そんな三人の、何とももどかしくて、こんがらがった運命の糸が紡ぐ三角関係に投げ込まれた爆弾。

 

そう、もう変化は止まれない。立ち止まる事は許されない。だからこそ、この果てがどんな景色でも突き進むしかないのだ。その果てに、答えを見出す為に。

 

シリーズ読者の皆様、今巻は覚悟してみて読んでほしい。

 

このヒキで終わられるのは、地獄であるから。

 

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