前巻感想はこちら↓
読書感想:痴漢されそうになっているS級美少女を助けたら隣の席の幼馴染だった3 - 読樹庵 (hatenablog.com)
嘘をついたは誰のため、何のために約束を捻じ曲げた? 前巻の最後、姫奈のついていた嘘。それはもう、前巻を読まれた読者の方であればご存じであろう。
それもまた、幼馴染であり大好きな相手である諒の為。彼に自分に振り向いてほしいから。だからこそ、彼女は嘘を吐いた。ついてしまったのだ。
「・・・・・・ひーなのこと、どう思ってる?」
来る夏休み、姫奈を主役に、学園祭へ向けて始まる自主映画製作。
その準備の最中、問いかけられた気持ちは諒の心を揺らし。
「・・・・・・諒は、私の事が好きだったのに―――」
藍の終わった筈だった、けれど終わりから引っ張り出された恋が再び燃え上がる。
そして始まる夏休み。諒は映画製作へ向けてのちょっとしたバイトをしたりする中、藍の今まで知らなかった側面へと触れていく。
彼女が生き馬の目を抜く芸能界で、どう生き残ってきたのか。彼女の今の性格は、どう育まれてきたのか。
少しずつ、何かが綻ぶように変わっていく諒と藍の間の関係。それに負けじと、もう止まれないと言わんばかりに更にアプローチの圧を強めていく姫奈。
「わたしは、キスはセーフだと思ってる」
まるですがるかのように、誘うかのように。揺れる諒は思い悩む。彼女達に好意を寄せられるだけの何かが、自分には果たしてあるのか。
けれど、もう諒だって止まれない。何もない、それだけではいられない。
俺は、じゃない。 俺も、だ。
俺も何かになるんだ。
「諒くんは褒めてくれるけど、本当はわたし悪い子だから」
「キス・・・・・・してもいいですよ」
自分のズルさに落ち込み、それでも諒に甘える姫奈。再び自分にも好機を、と言わんばかりに巻き返しを始める藍。
そして、二人の間で心揺れながらも何かになろうともがく諒。
本格的に始まる、姫奈と藍。幼馴染同士の、譲れぬ心のぶつかり合う対決。火花ぶつかり合う狭間におかれ、彼女達の成長を目にし、自分も乗り遅れないようにと駆け出す諒。
そんな三人の、何とももどかしくて、こんがらがった運命の糸が紡ぐ三角関係に投げ込まれた爆弾。
そう、もう変化は止まれない。立ち止まる事は許されない。だからこそ、この果てがどんな景色でも突き進むしかないのだ。その果てに、答えを見出す為に。
シリーズ読者の皆様、今巻は覚悟してみて読んでほしい。
このヒキで終わられるのは、地獄であるから。
痴漢されそうになっているS級美少女を助けたら隣の席の幼馴染だった4 (GA文庫) | ケンノジ, フライ |本 | 通販 | Amazon