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読書感想:痴漢されそうになっているS級美少女を助けたら隣の席の幼馴染だった2 - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、この作品は幼馴染とラブコメをする作品であると言う事は画面の前の読者の皆様も既にご存じであろうはずである。では、もしそんな幼馴染が増えてしまったのならば? どうするどうなる何が待つのか。その答えは今から語り出していくが、恋愛関係の糸もまた縺れ拗れる様相を呈していくのが今巻である。
そも、我等が主人公である諒は中々に靡かないどころか、中々自分からアプローチを仕掛けていかない。故に、彼を攻略しようとするのなら積極性が問われる事となり、その点で有利なのが幼馴染である姫奈である。
だがしかし、このタイミングになって幼馴染がもう一人現れる。彼女の名は藍。姫奈と同じく諒の幼馴染であり、三人で過ごした思い出を持つ少女である。
姫奈と同じく仲が良かったけれど疎遠になってしまった。だけど今、姫奈とは改めて絆を結びなおせた。だからこそ藍とももう一度、きっとやり直せる筈。だって三人で過ごしてきたから。彼女とだって、思い出はあるから。
そう言わんばかりに、藍ともう一度幼馴染をやり直すかのように。仲良かりしあのころを振り返りながら、諒は再び藍と絆を結んでいく。
だがしかし、それが面白くない少女がここに一人。何を隠そう、この作品のヒロインである姫奈である。
「『幼馴染』は、別に一人ってわけじゃないでしょ」
「一人でいいの」
幼馴染は一人で良い。彼女はその一言に何を込めたのか。何故、幼馴染は自分一人で良いと言い張るのか。
「わたしは、もし諒くんが他の誰かに告白されたりしたら、とぉーーーーーーっても嫌」
「わたしは、妬いてしまいます」
秘密の時間に目撃された告白と玉砕、それを見ていた諒に不満混じりに告げたのは本心。彼は誰にも譲りたくないという本心。
何故、彼女はそうまで幼馴染という在り方にこだわるのか? 何故彼女は、そこまで焦っているのか。
姫奈のアプローチに何処か必死さと焦燥感が見え始め、諒の心も少しずつ変わり出す。
そんな中、最初から込められていた爆弾は不意に爆発の時を迎える。
それは、この作品の根底から全てを崩しかねない、途轍もない秘密。
『だって、約束していないんですから』
これ、俺の字じゃない。
もしこれが真実なのだとしたら、「彼女」は一体何を思っていたのか? 何故彼女は騙してまで、ずるをしてまでそんな嘘を吐いたのか?
青春は面倒くさくて青臭くて、切なくもどかしいからこそ青春。
その始まりがもし嘘なら、この気持ちはどうなる。
このシリーズが好きな読者様、どうかお覚悟を。今巻は、かなりの衝撃である。
痴漢されそうになっているS級美少女を助けたら隣の席の幼馴染だった3 (GA文庫) | ケンノジ, フライ |本 | 通販 | Amazon