前巻感想はこちら↓
読書感想:やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく2 - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、突然ではあるが今から一つ、心の中に湧き上がった感情を叫ぶことを許していただきたい。・・・。では許していただけたと信じ、一つ。この子達本当にカワイイが過ぎる(苦笑)。
主人公である直哉も、ヒロインである小雪も。二人ともに可愛い、今まさに青春ど真ん中。そしてもうご存じであろうがこの二人、既に両想いである。付き合うと言う言葉の意味がゲシュタルト崩壊しているほどに恋人同士を越えいちゃついている。付き合ってはいないだけで、最早両家公認の恋人同士。
「まったくその通りだとは思いますけどね。 一人で抱えてるのが辛くなったんですよ」
が、しかし。夏休みも迫る今日この頃。直哉は精彩を欠き調子が出せなくなっていた。その理由は前巻を読まれた読者様であればお分かりであろう。意図せずして交わしたファーストキスを覚えていない小雪が、いつも通りに距離を詰めてくるからである。
人の心は読めたとしても、自分の経験は圧倒的に足りず。強力な武器を持っていても、それを生かしきれず。まだまだ未熟であるけれど、それでも挽回を誓い計画を練る直哉。
彼を後押しするかのように、小雪の父親であるハワードと仲良くなった直哉の父、彼の完全上位互換と言える存在、法介により両家合同の家族旅行が提案される。
渡りに船、旅行の間に距離を詰めて好感度を取り戻す完璧な計画を立て。けれど不測の事態と小雪の想定外のぽんこつさ加減に予定が何度も狂い。
けれど、確かに二人きり。お互いをもう落とし合っているけれど、また改めて落とす為に。一体何を言っているのか分からないとは思われるが、つまりはそういう事である。二人だけでいった遊園地。二人でアトラクションを楽しんだり、料理を食べさせ合ったり。
「でも私、素直じゃないから。これまでちゃんと言えなかった。ごめんね。それなのに、ずっとそばにいてくれてありがとう」
「他の誰でもない。直哉くんだから、ここまで好きになれたと思うの」
「こんな、めんどくさい私でよかったら・・・・・・彼女にして、くれますか?」
そして遊園地の最後、二人きりの時間の終わり。二人で乗った観覧車の中、お互いに投げ合った告白の先に交わすは「三度目」のファーストキス。
ようやっとここまで来た。遠回りを続けた雛達はやっと向かい合い。そしてあるべき形へと落ち着いた。
その過程をこれでもかと描き、そしてその中にも甘さをちりばめる。甘さに甘さを重ね、それをじっくりと煮詰めて。何処までも甘く、けれど芯の通っている。だからこそこの作品は面白い。安心して楽しめるのだ。
何やら無粋な輩が何かを企んでいるようだが大丈夫だろう。何せ直哉だから。魔王の花嫁に手を出そうとしてどうなるか。答えはもう言う必要もあるまい。
前巻を楽しまれた読者様、只管に甘い作品が好きな読者様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。
やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく3 (GA文庫) | ふか田さめたろう, ふーみ |本 | 通販 | Amazon