読書感想:やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく5

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前巻感想はこちら↓

読書感想:やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく4 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で小雪を狙いやってきた(語弊のある言い方)、祖父により定められた婚約者であるアーサーを、彼の恋心を叶える形で退けた、我等が主人公であり最早魔王な直哉である。問題も無くなり今まで通りの日々、といけば良かったのだが。そうもいかなくなるのが、最終巻である今巻である。

 

 

「新婚さん、か・・・・・・」

 

前巻の騒動は、直哉と小雪の心に確かに爪痕を残し、二人の関係性に漣を起こしていた。婚約者、という言葉から徐々に二人はこの先の未来について想像を巡らせるようになっていたのである。

 

一体この先どうなるのか、その可能性の一つである新婚生活の夢を見るほどに揺れる直哉の心。そんな彼の前に、英国からやってきた小雪の祖父、ジェームズが現れる。

 

小雪の祖父、もうお分かりであろう、そのチョロさは。完璧に落としきるまではいかぬもほぼ落としきり、まずは様子見と言う事でお試しの同棲生活とばかりに小雪が直哉の家に泊まることになり。嵐による停電と同衾という嬉し恥ずかしのイベントも何とか乗り切り、ジェームズに認められる直哉。

 

 もう余命いくばくもない(誤解)ジェームズからもお願いされ、急に発生した小雪に何とか飲ませると言うミッションに挑む事になり。直哉の誕生日の手作りプレゼント、朔夜と桐彦の微妙な関係の起こす騒動という賑やかな日々を過ごす直哉。そんな彼と小雪の元へ、修学旅行で運命的な出会いが待っている。

 

「おにーちゃん、こはるのパパだよね? それであのおねーちゃんは、こはるのママ」

 

それは、二人で詣でた縁結びの神様の悪戯か。時空を超越し、可能性の先の世界からやってきた幼女、その名を小春。直哉の察しの良さと小雪の容姿を受け継いだ、二人の娘である。

 

暫しの時間を三人で過ごし、これからも仲良くいてねとお願いされ。

 

小雪! 俺の残りの人生、全部やる! だから俺と結婚してくれ!」

 

その言葉に背を押され、小雪の誕生日である聖夜に仕掛けた大勝負。全てをあらかじめ整え、皆も集めて挑んだ一世一代の告白。その答えは・・・もう言うまでもないであろう。

 

「おかえりなさい、あなた」

 

「ただいま、奥さん」

 

そう、答えはとっくに決まっている。だからこそ、この先の未来で。小春との約束された再会も、幸せになる未来も。全て既定された線の上なのだ。

 

すれ違いゼロ、故に甘さ徳濃。その勢いのままに駆け抜けていく今作品。だがまだ終わりではなく、番外編が待っている。

 

その巻が読めるのを、今か今かと待ちつつ、今はこの余韻に。シリーズファンの皆様も是非、浸ってみてほしい。

 

やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく5 (GA文庫) | ふか田さめたろう, ふーみ |本 | 通販 | Amazon