読書感想:カンピオーネ! ロード・オブ・レルムズ 2

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前巻感想はこちら↓

読書感想:カンピオーネ! ロード・オブ・レルムズ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻ではカンピオーネ!シリーズの押しも押されぬ主人公、草薙護堂や前作の主人公、蓮。更には新世代の主人公、魔王殺しの勇者、雪希乃といった魅力的な面々が集いこの作品は幕を開けたわけであるが、画面の前の読者の皆様の中にはこうお思いの読者の皆様もおられるのではないだろうか。あの神殺しはどうした、あの「彼女」はどうした、この世界にはいないのか、と。しかし安心していただきたい。今巻もまた、懐かしき面々の顔を拝めるのだから。

 

護堂を愛する神殺し、ドニが向かい合うはかつて滅びた筈のヴォバン狼侯。世界各地で自身の権能を生かし混乱と火種をばらまくアイーシャ夫人。英雄界の交通を牛耳り、情報を一手に集める護堂の妻、エリカ。そして英雄界へと乗り込み、様々な謎の真実を知るべく単騎で行動する黒王子、アレク。

 

 何れも懐かしき、だけど成長しあの日よりも魅力が更に増した面々達。当然である、彼等は常に立ち止まらず、成長が止まるどころか更に新たなる力を獲得し、進化を止めていないのだから。そんな神殺しの一人であり護堂と義姉弟の契りを交わした羅翠蓮。 物理最強の一角に間違いなく数えられるであろう彼女こそが、今回雪希乃が立ち向かわなければならぬ相手である。

 

画面の前のシリーズファンの読者の皆様には最早言うまでもないだろう、彼女の圧倒的な強さは。そしてこう思われるだろう、絶対に雪希乃が勝てる訳が無いと。

 

「だったら、私は最高の自分を超える自分で立ち向かうわ!」

 

 だが、彼女には師匠である「桃太郎」から託された秘蔵の力があった。そしてそれを一人で振るう事は叶わずとも、力を合わせる事でその段階まで強制的に引き上げてくれる仲間、梨於奈がついている。

 

二人の力合わさり放たれる時、神殺しに一矢報いる矢は放たれる。

 

 その様は正に勇者、と言っても良いかもしれない。しかし画面の前の読者の皆様ももうご存じであろう、彼女は唯の人間であり、勇者としては未熟に過ぎると。

 

では彼女は勇者の器ではないとしたら一体何の器なのか。彼女がこの世界に送り込まれる事で、一体何が巻き起こると言うのか。

 

 その答えは未だ本当の意味では分からず、だが根拠となるものは降り積もる。その根拠は是非、皆様の手で見てみてほしい。

 

前巻を楽しまれた読者様、シリーズファンの読者の皆様も是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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