読書感想:カンピオーネ! ロード・オブ・レルムズ3

f:id:yuukimasiro:20210924225533j:plain

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:カンピオーネ! ロード・オブ・レルムズ 2 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻の感想で私はこの作品における世界である英雄界に今来ている「神殺し」の面々の一部を羅列したわけであるが。何れも押しも押されぬ実力者たちである神殺しの中、一人だけどう見ても別の意味で危ない、放っておいてはいけない者がいるのは、丈月城先生の作品のファンであられる読者様であればもうお分かりであろう。

 

 

言ってしまえば、神殺しは誰もがそのとんでもない力を自由気ままに振るう、世界の均衡を揺るがす存在であるのは間違いない。だが、その者だけは少し違う。それはもう、お分かりなのではないだろうか。

 

そう、アイーシャ夫人である。その身に秘めた権能、そしてその性格からいつも大騒動のど真ん中にいて、しかも気付けば更なる面倒事を引き起こしている彼女。そんな彼女は護堂と蓮の情報網にそれぞれ引っかかる。英雄界を揺るがす異変、今まさに現在進行形で起きているその事態の元凶として。

 

「いや、全ては愛ゆえです」

 

運命的に再会した、自身の子供であるレオナルドとモニカ。レオナルドがまさかの五人の子持ち、しかも全員母親違いなんていう驚愕の事実に瞠目しながらも。蓮との激突、彼の魔眼から逃れなんとかアイーシャを連れ去る護堂達。

 

 だが、彼等の目の前でアイーシャ夫人から分離した妖精の女王、ニアヴの顕身がマルチバースの広大な海へと逃走し。追う事を決意した護堂はモニカを連れ、エリカと恵那、レオナルドを残し旅立っていく。

 

では残された蓮や雪希乃は何もしていないのか。そういう訳には勿論非ず。彼等には今回、ある意味意外な対戦カードが待っている。

 

 蓮の再びの敵となるは、黒き雷を操る「黒王子」アレク。そして雪希乃の敵となるは、今まさにこの英雄界に降臨した軍神、ウルスラグナ。もうお分かりであろう。十の権能を持つ、全ての始まりとなった神である。

 

「ちがうわ! 一度失敗したからこそ、自分に足りなかったものに気づけたの。今から実際に見せてあげる!」

 

自身の中にまだ残る復讐の女神の力を信じ、薄氷の上を駆け抜けるかのような緊迫感のある戦いに挑む蓮。

 

対し、圧倒的な力を見せつけ正に悠然たる威容でことごとくを無に帰すウルスラグナへ、究極の一の力で立ち向かう雪希乃。

 

 英雄界を揺るがす危機が迫る中、地を揺るがす勢いで巻き起こる彼等の戦い。その戦いを遠方から見守る影が一つ。それはもう一人の「黒王子」。新たなる英雄の影。

 

更なる戦いが熱さを齎し、新たなるオールスターが心を燃やしてくれる今巻。

 

シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

カンピオーネ! ロード・オブ・レルムズ 3 (ダッシュエックス文庫) | 丈月 城, BUNBUN |本 | 通販 | Amazon