読書感想:D級冒険者の俺、なぜか勇者パーティーに勧誘されたあげく、王女につきまとわれてる3

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前巻感想はこちら↓

読書感想:D級冒険者の俺、なぜか勇者パーティーに勧誘されたあげく、王女につきまとわれてる 2 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、ぐーたらしていたいのに、勇者であるレティノアや王女であるラフィネに溺愛され、何処までも、それこそ地の果てまでもと言わんばかりに追いかけられる我等が主人公であるジレイ。画面の前の読者の皆様はもうお分かりであろう、ぐーたらしたいなら関わらなければいいのに結局助けてしまう彼の優しさと人間性が、こんな事態を巻き起こしている事は。いつもいつも逃げてばかりだけど、結局は向き合わなくてはいけぬ時が来る。それこそが今巻なのである。

 

 

前巻で打倒した敵、エンネ。倒した事で得てしまったものは顔に浮かんだ謎の刻印と、まるで彼女のような謎の力。隣にいるのはラフィネかレティノア、といういつもと変わらぬ面子。

 

 一先ずはどうするか、という相談をアルディにし、彼の提案により向かう事になったのは、勇者支援国家、リヴルヒイロ。世界最大の魔導図書館を有する、近々勇者達が集う事が予定されている国である。

 

しかし、意気揚々と向かった矢先、過去に存在した聖剣を複製できる力を持つ「才」の勇者、ルーカスに入国を拒否され。自身を馬鹿にされるどころか、レティノア達まで馬鹿にされた事で、入国を賭けジレイ達はチームでルーカス達のチームと激突する事となる。

 

 戦いの中、ラフィネやイヴが限界を超え、戦いの最中にそれを糧とし成長し、新たな力を示していく。その原動力であるのは何か。それは無論、ジレイへの恋心。

 

「ジレイ様だから、好きになったんです」

 

そう、もうここまで見せられてしまったのならば、もう無自覚ではいられない。嫌なら無視すれば良かった、切り払えば良かった。でも、それは出来なかった。それは何故か。それはジレイの殺しきれぬ人間性のせい。勇者ではないけれど、心だけは勇者に何だかんだと相応しい善性のせいなのだ。

 

今までは巻き込まれるばかりだった、けれど今、自分から立ち向かった。それは変化の予兆か。そんな彼の前には、幾つもの問題が待つ。

 

まだまだ謎の多い、魔人も絡む自身の刻印の秘密。

 

過去に傷と孤独を抱えた、ルーカスの闇。

 

そして、今すぐに勇者を辞めさせた方がいいとルーカスに断じられた、レティノアが隠している何らかの秘密。

 

もう関わってしまった、渦中に引き寄せられてしまった。だからもう逃げられぬ。けれど今度は何処か変わるのか。

 

シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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