読書感想:神は遊戯に飢えている。1 神々に挑む少年の究極頭脳戦

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。この作品の今巻の感想は、興奮と心に吹き込んだ熱さのままに綴られるが故に少し読みにくくなってしまっているかもしれぬ事を先にお詫びしたい。その上で、私は画面の前の読者の皆様に問いかけたい。貴方は驚異的に魅惑の世界、ゲームのプレイヤーである人間達と創り手である神々達が共に相争いて遊ぶことで作り出される、地上最大のショーをご覧になって見たくはないだろうか?

 

 ではこの作品はどんな作品なのか。その答えは只一つ。この作品は人と神々が相争う物語である。しかし、その戦いは遊戯によりて行われる。暇を持て余した神々達が人々に持ち掛けたのは、神々達それぞれがルールと舞台を創り出し行われる遊戯。その舞台で三回敗北したのならば、挑戦する資格は失われる。だがもし十勝出来たのならば、その者には比類なき栄光と神々からの褒美が与えられる。

 

しかし未だ完全攻略した者はなく、多くの夢溢れる者達が挑み散っていった舞台。その舞台へと一人の少年が躍り出る。彼の名前はフェイ(表紙右下、トランプの中)。この作品の主人公であり、遊戯に挑む「使徒」と呼ばれる者の中でも挑み始めて未だ無敗、最強のルーキーと呼ばれる者である。

 

「いいわ!」 「お前すごくいい。気に入ったわ! 根っからのゲーム好きな人間、わたし大好き。 何より、その態度が最高ね!」

 

行方不明の、自分にとってのゲームの師匠を探す彼へと一人の少女が声をかける。彼女の名はレオレーシェ(表紙中央)。人を好きすぎて受肉したら神々の世界へ戻れなくなった、元神様の少女である。

 

「わたしはずっと、キミみたいな人間を待っていたんだから!」

 

 

 彼女とコンビを組み、チームを結成し。君を待っていたと言わんばかりに引っ張り込まれ、フェイはまた、神々との遊戯へと挑んでいく。そんな彼等へと、神々が繰り出すゲームは時に理不尽、時に気紛れ、時に理解不能。そんな難解に過ぎる遊戯の数々。

 

 

都市を成功に模した遊戯の舞台、地を壊す巨神、タイタンが仕掛けるのはかくれんぼに鬼ごっこ、更には秘密裡にもう一つのゲームを組み合わせた難解な遊戯。

 

手痛いミスにより引退しようとしていた使徒、パールを引っ張り込み挑んだ遊戯、その主の名は天空の海を悠々と往く偉大なる神、ウロボロス。彼女が仕掛けるのは、自分に痛いと言わせろとだけ条件を示した以外は謎の遊戯。

 

正しく理不尽、正に理解不能。そんな遊戯に挑む使徒達は名誉のために。だが、フェイは、彼だけは違った。

 

「当然だろ? こんな迫力満点のゲームなんだから」

 

「神は、自ら奇蹟を啓く者にこそ微笑む。そうだろ神!」

 

「答え合わせの時間だ、神!」

 

根っからのゲーム好きである彼は、勝つ事よりも楽しむ事を願い。その全く違う発想が、神すらも驚かせるひらめきを導き出す。

 

そして、そんな彼と遊べたことに神達もまた満足し、悔しがっても讃えるのだ。よくやった、ありがとう、と。

 

遊びつくし満足したタイタンは不器用に負けを宣言し。敗北したウロボロスは、自らの身体の一部を渡しまた遊ぼうと呼びかける。

 

 そう、勝っても負けても、また遊ぼう。それこそがゲームの醍醐味なのだから。

 

正にThat’s  Entertainment。正にThis is the Greatest show。

 

本気でぶつかり本気で遊ぶ、だからこそ面白い、熱い。ここで燃えずしていつ燃えればよいのか。

 

 

大きな舞台で繰り広げられる物語が好きな読者様、心燃えるファンタジーが好きな読者様、どうかこの作品の頁を開いて、神々との遊戯の世界へ飛び込んでみてほしい。

 

 

絶対に、貴方も満足できるはずである。

 

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