読書感想:聖剣士さまの魔剣ちゃん2 ~主のために頑張る魔剣を全力で応援しようと思います~

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前巻感想はこちら↓

読書感想:聖剣士さまの魔剣ちゃん 1~孤独で健気な魔剣の主になったので全力で愛でていこうと思います~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

さて、今巻の感想を綴っていく前に、画面の前の読者の皆様に問いかけたい。この作品の魅力であり面白い点は何であると思われるか。その答えは簡単、超常の魔剣でありヒロインであるリーシュが可愛い、その点に尽きる。それは既に様々な所で語られている事であり、自明の理である。それを踏まえたうえで、今巻の感想を読んでいただきたい。

 

主であるケイルに真摯な愛情で溺愛され、優しい愛情に包まれ。殺しを目的と至上命題とする魔剣とは全くの逆方向である日々の中、主の愛に応えるべくリーシュは魔剣ではなく、人として生きる事を望み始める。

 

そんな彼女は、ストレス解消も兼ね冒険者として活動を始める。勿論ケイルがその状況を黙って見ている訳もない。何故なら彼はリーシュを溺愛しているから。

 

「いえ、ケイル様はお留守番です」

 

が、リーシュについてこないでとお預けをくらい、彼はリーシュの犬になりつつあるハイエルフ、セリスと共に物陰からこっそり見守る道を選ぶ。

 

が、しかし。リーシュは狩猟対象である鳥の魔獣、デリッシュとの戦いの中、不可解な力を解放する。その力は、《偽りの天恵》と同じ力。かつて力を恐れた人間達によって悪として断罪され、葬られた筈の力であり、セリスがかつて共に過ごした魔剣ちゃんが使っていた力。

 

そこから導き出されたリーシュの力。それは過去も未来も関係なく、全ての魔剣の能力を自らの力として使いこなせるという神にも等しき力。

 

『だって、僕はリーシュのことが大好きですから』

 

だが、そんな事は関係ないとばかりにケイルは力強く宣言する。例えリーシュが神が如き力を持っていたとしても、リーシュはリーシュ。自分が大好きな魔剣ちゃんであると。

 

そう、これくらいではケイルの愛は変わらない。寧ろ更に惚れ直し、好きになっていく。一挙手一投足の度に愛が高まっていくのだ。

 

デリッシュの卵で作ったオムレツ(リーシュ作)を食べたらケイルの身体が七色に光る事態となったり。シノアとリーシュの絡みにケイルとセリスが悶え、若干人として心配になる領域になっていったり。

 

無論リーシュ可愛いだけでは終わらない。今巻では様々な謎が調べるべき謎として、ケイル達の前に現れる。

 

何故聖剣は魔剣となるのか。そもそも魔剣とは何か。

 

古き竜が語った、人と魔獣が仲良くしていた遥か過去の時代。何故かその記憶を持ち合わせるリーシュ。

 

更にヒロインが可愛く、そして面白さを深め。同時にこれからの展開の為、伏線となる謎をこれでもかと散りばめる。

 

作品としての段階が一つ上がる今巻、是非画面の前の読者の皆様も読んでみてほしい。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

聖剣士さまの魔剣ちゃん 2~主のために頑張る魔剣を全力で応援しようと思います (HJ文庫) | 藤木わしろ, さくらねこ |本 | 通販 | Amazon