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読書感想:聖剣学院の魔剣使い6 - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、画面の前の読者の皆様。私の前巻の感想をもし覚えておいでであれば、私はお楽しみはきっとここから、と言ったはずである。その言葉通り、と言えるのかは分からないが確かにここから一つの山場は始まっていくのである。誰しもにとって、大切な戦いが。
リーセリアも、エルフィーネも、レギーナも、そして咲耶も。それぞれがそれぞれの事情を抱え、いつかは向き合わざるを得ない。その時は今、ここから始まっていくのだ。
そしてその裏、ヴェイラの前に立ち塞がるは同じく魔王の一人、海王リヴァイズ。それだけに非ず。ヴェイラの居城であったはずの天空の城を彼女に負けず劣らずの腕前で制御し、それどころか精神操作の術を操る聖剣を持つ謎の偉丈夫もまた。
一旦退散の道を選びながらも、精神操作の力を中途半端に受け暴走状態に陥るヴェイラ。彼女は奇しくも、まるで何かに導かれるかのようにレオニスの元へ向かう。
その彼が向かっているのはいつもの都市、ではなく。彼の姿は今、リーセリア達と共に「帝都」にあった。彼等は「帝都」で開かれる聖剣士達による武闘大会、「聖剣剣舞祭」に特別枠として招かれていたのである。
世界の中心であり、人類の最終防衛ラインでもある帝都。そこは奇しくも、全ての因縁と因果が集う地となり。レオニスの仲間達である彼女達は、それぞれの目的のために動き出し、それぞれの戦いの渦中へと飛び込んでいく。
魔王の眷属となった咲耶は、再び姉と戦うための戦いの為の準備を始め。
姉妹達と向かい合うレギーナは、王家の宿命に導かれ舞台へと上がり。
そして、いつか自らの家名を捨てる事を願うエルフィーネは、「魔剣計画」の裏で蠢く実家の思惑を探り始め、対決への決意を固めていく。
そして仲間達がそれぞれの因縁と向き合っていく中、レオニスもまた、その手に聖剣を携え、ヴェイラと共同戦線を張り、リヴァイズと激突し。その果てに、予期せぬ姿、リヴァイズを支配し、ヴェイラを支配しかけた敵の姿を見る。
「―――〈海王〉よ、我が身に宿りし〈聖剣〉の力、受けてみるがいい!」
再びの聖剣の力でリヴァイズを一時退けた彼の目に宿るは今までにない程に驚愕の光。何故ならば、その敵の正体は意外に過ぎるものだったからである。
過去の世界から来たりた英雄か、否、そうではない。その敵の名はエドワルド。その名は画面の前の読者の皆様もご存じであろう。彼こそは死した筈の、リーセリアの父親である。
一体何が起きていると言うのか、それはまだ分からぬけれど。だが確実に、何かは始まっているのだ。
故にこそ、一つの山場はきっとここからの筈である。
聖剣学院の魔剣使い7 (MF文庫J) | 志瑞祐, 遠坂 あさぎ |本 | 通販 | Amazon