読書感想:『おっぱい揉みたい』って叫んだら、妹の友達と付き合うことになりました。

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。死ぬ時はでっけえおっぱいに埋もれて死にたいと生前語っていたとあるアニメキャラをご存じであろうか。その答えは各自検索していただくとして、画面の前の読者の皆様の中でも男子の読者の皆様は、おっぱいを揉みたいと思った事、もしくは揉んだ事はあられるであろうか。

 

 

さて、この作品がどういう作品という事かについては既にタイトルで銃割どころか十二割語られている。つまりはそういう事であり、男子の夢が特盛なのである。

 

思春期男子特有の感情、それは性への興味と性行為への興味。それはこの作品の主人公である夏彦もまた、例外ではなかった。

 

男勝りな悪友の女子、琥珀に毎日絡まれたりしながら、他校に彼女を持つ親友、クール系イケメンな草次に毒を吐いたりしながら。人畜無害な男子高校生として何でもない日々を過ごしながら。

 

彼の心の中には、思春期特有の感情が凄まじい勢いで渦巻いていた。その感情は、彼女が欲しい、そしておっぱいが揉みたいという思春期特有の感情だった。

 

「ずっと大好きでした! おっぱい揉んでいいので、私と付き合ってください!」

 

そんな彼の人知れず漏らした魂の叫びに答える少女が一人。彼女こそがこの作品のヒロイン、夏彦の元幼馴染であり彼の妹の友達、未仔(表紙)である。

 

綺麗よりも可愛らしい、小動物のように可愛い、守ってあげたくなる。貴方は表紙を見た時、そんな印象を抱かれたであろうか。

 

彼女の中に秘められていた想いは只一つ、ずっと昔から変わらぬ想い。夏彦の事が好きだと言う想い。

 

その想いを忘れる事が出来ず、彼の事を追いかけ同じ高校まで入学し。未仔の告白により二人のお付き合いは幕を開ける。

 

ではそんな二人の想いは一気に揉む所までなだれ込むかのような急展開なものになるのか。否、そんな事は無い。二人のお付き合いは、初々しく一歩ずつ、だけど確かに甘々なラブコメとなるのである。

 

一気に進むのではなく、未仔の事を大切にしたいから。だからこそ一歩ずつ。

 

未仔が付き合いだした事をカミングアウトしたり。初めてのデートに迷ったり。二人の思い出を振り返ってみたりして。

 

「俺の気持ちは揺るぎません。俺は未仔ちゃんとずっと一緒にいたいです」

 

最後は力強く、値踏みしてくる未仔の父親へと溢れる愛から覚悟を示して。

 

正にわんこそばが如く、次々と角砂糖を口の中へと放り込んでくる。何も考えるな、ただ感じろと言わんばかりにどんどんと畳みかけてくる。

 

だが、偶には何も考えなくても良いのではないか。何も考えず、バカップルになっていく二人の姿に砂糖を吐きながら悶え転がる、それがこの作品の正しい楽しみ方である筈だから。

 

ブコメの甘さを味わいたい読者様、ただ悶えたい読者様にはお勧めしたい。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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