読書感想:ぽけっと・えーす!(3)

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前巻感想はこちら↓

読書感想:ぽけっと・えーす! (2) - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

さて、前巻合宿で絆を深めた和羅と巴を始めとする陽明学園ポーカークラブ。では絆を深めた後に待っている展開とは何か。それは勿論試合本番。強豪ひしめく勝負の場での真剣勝負である。

 

朱梨との遊園地デートで可愛らしい年頃的な一面を垣間見たり。巴の実家である大病院に妹である雪が転院できる事になったり。

 

後顧の憂いを断ち、巴達に全てを離し。傀儡としてではなく一人の教師として、何より監督として、一人のプレイヤーとして。

 

勝負の場で待っているのは全国から集められた強力な好敵手達。そこには勿論、彼女達がいる。フィエール女学院、かつて練習試合でボロ負けした彼女達が。

 

なればこそ、必然だったのだろう。彼女達と決着をつけるのは。練習の場ではない、本気の真剣勝負の場で戦うのは。

 

留子が、マーヤが、巴が、朱梨が。四人がそれぞれ繰り出すは勝ちたいと言うそれぞれの思いを込めた、必殺の役。だが相手もただ受けるだけではない。そう簡単には負けぬとばかりに、御返しと言わんばかりに一撃を繰り出す。

 

では、勝負の鍵を握るのは何か。引きの運か、それとも計算か。いや、それだけではない。奇跡を起こすのは、勝利の札を引き当てるのはそこに込められた思いの差でもある筈。

 

『覚悟を決めさせてもらいますよ、巴。貴方が見せてくれたように。オールイン』

 

だからこそ、朱梨は大将として見せつけ、勝利への手を引き当てる。皆の想い、全てを背負い一撃を叩きつける。

 

だが、ここはまだ始まりでしかない。大会はまだまだ、ここからが本番であり。そして彼女達の恋の戦いもまた、ここからが本番なのだ。

 

その戦いの果てに何が待っているのか。夢破れるか、はたまた夢を掴むのか。それは誰にも分からないけれど。彼女達ならきっと大丈夫、その筈である。

 

少女達は可愛く、そして強く。正に小学生だからこそのエネルギーが詰め込まれ、一気に駆け抜けていく今巻。

 

もしここで終わりだとしたら、非常に残念ではあるけれど、いつかまたこの続きが読める事を楽しみにしたい。

 

前巻まで楽しまれた読者様、派手にぶつかり合う盤上の遊戯が楽しみたい読者様は是非読んでみてほしい。

 

きっと貴方も、満足できるはずである。

 

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