読書感想:僕の軍師は、スカートが短すぎる2~サラリーマンとJK、ひとつ屋根の下

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前巻感想はこちら↓

読書感想:僕の軍師は、スカートが短すぎる ~サラリーマンとJK、ひとつ屋根の下 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で心理学を用いた策略により見事に成果を上げた、我等が社畜な主人公、史樹。彼は前巻を読まれたであろう画面の前の読者の皆様も分かる通り、社畜である。だがしかし、彼は大人である。大人の世界で生き抜いてきた者である。だからこそ、時に彼のような存在は子供達に取っては重要な存在となるのである。

 

「頭いいし、声も綺麗だし、なにより可愛いし。少なくとも、僕から見ると、穂春ちゃんが誰よりも輝いて見えるよ」

 

「あ、朝からそういうこと言うの禁止! そんなこと言われたら、嬉しくなり過ぎて、授業の内容が頭に入らなくなるでしょ!?」

 

前巻の騒動を経て学校に通いだした穂春。彼女を時に甘やかし、時にどきりとするような言葉を無意識に投げかけて。そんな言葉に、まだ恋を知らぬ穂春は神経の病気を疑って。

 

 何でもないようで、でも少しだけ変わった日々を過ごす日々を過ごす史樹はある日、上司の命令により「&SIX」の事務所との共同事業への参加を命じられ、穂春のかつての仲間達と関わる事になる。

 

汐音を始めとするかつての仲間達。それは、大人達の世界という荒れ狂う大海で唯一の羅針盤を喪い、それでも何処かへ辿り着こうと必死にもがく子供達。

 

「だから、大人の相手は大人に任せておいて。頼りないかもだけど、一応、大人の端くれだから」

 

だが、その力はあまりにも弱く。声はきっと届かない。彼女達の力になりたいと、大人として奔走するうちに史樹はいつの間にか、彼女達に頼られ縋られ、まるでマネージャーのような立ち位置へとついていく。

 

だがしかし、再び新たな問題、契約書に仕組まれた罠に端を発する問題が彼女達へと襲い来る。それはまるで、大人の世界という大海の水底へと彼女達を引き込まんとする手のように。

 

汐音達だけではどうにもならなかった。史樹が加わったとしても、相手はあまりにも強大であった。

 

「子供がこういう世界で生きていくためには、敵となる大人たちの武器をよく理解しないといけないから」

 

けれど、彼等には頼れる軍師がいる。悪戯っぽく笑う、鬼謀の軍師が繰り出す新たな策は、確かに事態を打開する鍵となるから。

 

大人の頼れる背の温かさと、人間関係の広まりが新たな面白さへと繋がり、既存の面白さを更に深めさせる今巻。

 

前巻を楽しまれた読者様、七条剛先生のファンの読者の皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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