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読書感想:『ショップ』スキルさえあれば、ダンジョン化した世界でも楽勝だ 3 ~迫害された少年の最強ざまぁライフ~ - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、もはや言うまでもないであろうが、この作品の世界観はファンタジー世界との融合が突如として始まり、崩壊しつつある日本である。異世界からの魔物が日本に襲来し、日本の様々な場所や施設が突如としてダンジョンに変わり、秩序の崩壊したこの世界。しかし、画面の前の読者の皆様もそろそろお察しではないだろうか。異世界の魔物が来て、「異世界人」が来ない訳が無いのではないかと。
そして、こうも思われた読者様もおられるのではないだろうか。そう言えば一巻で登場した、日呂に思う所のあるらしい少女、恋音を始めとした十時家はどうしているのだろうかと。
そんな皆様、安心してほしい。その全てに焦点を当てていくのが今巻であるので。
安息の地、及び拠点が欲しい。しかしダンジョンにならぬ拠点が欲しい。そんな思いを抱き、スキルで無人島を購入し。三体目の使い魔、「空飛ぶ図書館」とも呼ばれるワイズクロウ、「イズ」を従え開拓に励む日呂。
その途中、いつもの商談の場で。日呂は蓮司が発見し保護していた異世界からの来訪者、エルフのヨーフェル(表紙左)と出会い、彼女の願いを聞き、彼女を労働力とする事を対価に、共に転移している筈の弟、イオル(表紙中央右)を探す事となる。
ファンタジーな道具で掴んだ彼の居場所、それは意外とすぐ近く。そこに出向いた先で再会したのが、恋音やまひな達十時家の面々。変わりたいと言う恋音の気迫に思わず押され、関わることになり。それは一時の邂逅ともう二度と交わらぬ道、となる筈であった。
しかし、事態は何の因果か再び彼女達に関わらせる。ヨーフェル達とは別に転移してきた、異世界の悪名高き錬金術師、ドクター・ズゥ。エルフにとってはお尋ね者な彼の手により、実験対象としてまひなが浚われてしまったのである。
「お前はしちゃいけないことをした。だから・・・・・・殺す」
柄にもないただ働き、そこに強く懇願し同道を許した恋音。戦いの中、自分を庇い不意の凶弾に彼女は傷つき。その瞬間、日呂の心の中に強き怒りが、言葉に出来ぬ激情が巻き起こり。怒りのままに、悪人へと怒りの断罪を叩きつける。
彼は気が付いているのだろうか。使い魔達には自身の過去を明かす程に信用している、人間は信用していないと宣う彼だけど。それでも、彼女を傷つけられてキレるくらいには、まだ情は失っていないという事を。誰かの為なら損得関係なく動ける、優しさという強さを失ってはいないという事を。
それをきっと、ヒーローの証と言うのかもしれない。
シリーズファンの皆様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。
『ショップ』スキルさえあれば、ダンジョン化した世界でも楽勝だ 4 ~迫害された少年の最強ざまぁライフ~ (ダッシュエックス文庫) | 十本 スイ, 夜ノ みつき |本 | 通販 | Amazon