読書感想:義姉たちが全員重度のブラコンだった

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https://www.amazon.co.jp/dp/4041089204/?tag=a8-affi-287285-22&a8=rc1N6cn5CyJpnwD2DuLDc1J8JImgjI-2auL0nwLwJ0H5Cy1Joy-59b1cFIm7d7-LE0eI241YEc1NTs00000009884001

 

重度、それはどういう意味か。その意味は頁を拓いてみれば分かる筈。

 

主人公である普通の少年、春斗にある日突然三人の義姉が出来た、言葉にしてしまえばそれで終わりであるがそれで終わらないのがこの作品である。

 

web原作の作品ではあるが、常識がおかしい義姉達と大騒ぎの日常を過ごすというドタバタコメディに比重を置いていた原作と比べ、作者がほとんど修正したと後書きで描いている通り、全く別の作品といっても過言ではない。

 

その最たる例として、ヒロインである義姉達の年齢、立ち位置変化も挙げられるが何よりも変化したのは、アニメ制作という支柱が新たに立てられた事だろう。

 

ヒロインのモデルは義姉達、そして彼女達の要望により主人公のモデルは主人公である春斗。そこから見えてきて気付かされるのは義姉達の想い。

 

そう、彼女達はメインヒロインになりたいのだ。春斗と自分を主人公とヒロインとした物語を作りたい、そして何よりも春斗の人生という物語の中においてメインヒロインとなりたいのだ。

 

対して春斗はどうなのか。彼は義姉達がいる日常が好きなのだ。母の死によって欠けていた自分を埋めてくれた、この騒がしい日常が好きなのだ。だからこそ誰も選べないのだ。

 

義姉達の想いを何処かで感じ取りながらも今のままの関係を望む春斗、特別な関係になる事を望む何かの予感をにおわせる義姉達。果たして、望む関係の形が異なる彼等の関係はどうなってしまうのか。

 

もどかしくて擦れ違って、だけど過剰で大胆なスキンシップのラブコメが好きな読者様は是非。