読書感想:夢見る男子は現実主義者1

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突然ではあるが画面の前の読者の皆様、恋は盲目と言うけれど盲目になるほどに誰かに恋した事はあられるだろうか。もしそんな時、恋が覚めたら貴方はどうするだろうか。

 

始まらぬ恋もあれば、終わりから始まる恋もある。そう言わんばかりに主張してくるのがこの作品であり、この作品は恋の終わりから始まる作品である。しかし、失恋してしまったわけではない。

 

では何故恋は終わってしまったのか? それはこの作品の主人公、渉(表紙右、見切れてる)のヒロイン、愛華(表紙中央)への恋心が届かないと思った途端に覚めてしまったからである。

 

彼女はクラスの高嶺の花、よく考えれば自分は釣り合わないかもしれない。だからこそ愛で信奉するかのように推していきたい。そう考え、渉は身を引き一歩離れた位置から見守る事を決意する。

 

しかし、そこで戸惑ってしまうことになるのが愛華である。

 

何故なら、ちょっと鬱陶しくてウザかったけど、彼はいつでもどんな時でも側にいてくれたから。だけど今、急に離れて行ってしまった。今までは誤解されるほどに近くにいたのに。なのに今、彼との距離は遠い。

 

わからない。渉も、私自身も。どうしてこんなにモヤモヤしないといけないんだろう―――

 

そう、離れて芽生えて、だけどまだ無自覚なその想いは確かな恋心。だけど目覚めるには少し遅くて、告げるには今、彼との距離が遠くて。

 

そう、この作品はお互いにお互いへの恋心をどこか拗らせてしまった二人の、面倒くさくて遠回りだらけの、じれったくてもどかしくて甘いラブコメなのだ。

 

そしてこの作品は、愛華へと全てのリソースを注いでいた渉が他の事へとリソースを注ぎ始める事により、少しずつ周りを変えていく、成長と変化の物語でもある。

 

だからこそ私は声を張り上げて伝えたい。正に満点、正に素晴らしい。真っ直ぐで甘くて尊み溢れる最高のラブコメであるという事を。

 

ブコメに飢えた読者様、ラブコメに入門したい読者様は是非。この作品は、きっと覇権へと駆け上がる筈だから。

 

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