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読書感想:モンスターの肉を食っていたら王位に就いた件3 - 読樹庵
さて、前巻で司祭を招いたら結局獅子身中の虫、を抱え込むようになってしまった我らが狂王、マルスであるが。前巻で各国の連合により聖戦の名の下に仕掛けられた大戦、だが前巻終了の時点で連合軍もはや半減、という状況になっていたというのは前巻を読まれている読者様であればご存じであろう。最早負け、というのはないに等しい。ではこの戦場で何が起きるのか。
それは、妃同士の語らい、そしてマルスの意図せぬ所での、部下達のいつもの暴走。よりファルーンの軍隊、ハンドレッドがバケモノめいていくのが今巻なのである。
前巻の最後、戦力が半減した事で瓦解し始めた連合軍。その中の主軸であるイーリス国は撤退の道を選び。手薄なファルーン王都の襲撃作戦、とファルーンの補給を防ぐために撤退の道中の焦土作戦という道を選ぶ。
「お喜び下さい。陛下が発動されたイーリス浄化作戦は順調に進んでおります」
だがしかしイーリスは知らなかった。そもファルーンの主食はモンスターの肉、現地調達が基本なので別に補給の必要もない事を。 マリアに強引に迫られ一線を越えてしまったマルスが悩む中、食料に悩む道中の村にハンドレッドの連中がモンスターの肉の布教を始め。 更に王城を襲撃した暗殺者達は、最近カサンドラの専属メイドになったヴィオと青騎士団の手により壊滅という結果に終わる。
「恐怖だ、俺たちは恐怖を克服する必要があったんだ!」
更に打ち出されたのは、隠れやすい草むらの広がる平原という舞台を活かした特製クロスボウによる作戦。それは功を奏し、ハンドレッドの多数を討ち取る事には成功するも、やはりイーリスはまだ知らなかった。そもそもマリアがいるという事を。マリアの舞により回復し、更にはマルスの言葉を曲解したハンドレッドの面々が、汚名返上と言わんばかりに攻撃を受けても突き進む、という不死者の行進が如き脳筋プレイで突破していく。
「子供ができました」
「そんなに上手にはできない・・・・・・」
最早誰も止められず、あっという間にイーリス国の王都まで。逃げ出した王とその家族は道中の村人にモンスターの肉を食わされ死んで、戦争も終わりへ向かう。 マリアは子供が出来た、という事実と一計を案じマルスを跪かせて教皇の地位を手に入れ。シーラは殺し過ぎるフラウの内心を知り、彼女を諫める事を選ぶ。
戦争の終わり、更にどんどん広がった領土。国内も安定しやることのなくなったマルスは、変装し魔法使いの冒険者、マルキスとして西に旅に出て。旅の途上で出来た仲間達と、西側諸国を巡る中でやはりここにも広がっていたハンドレッドの魔の手に溜息をついたり。
「みんながマルスを待ってる」
そんな中、大陸北部を支配する帝国が侵略を開始して。迎えに来たフラウの手を取り、また新たな戦いへ向かうのだ。
最早マルス抜きでも暴虐が繰り広げられる今巻。シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
モンスターの肉を食っていたら王位に就いた件 4 (GCN文庫 タ 01-04) | 駄犬, 芝 |本 | 通販 | Amazon