読書感想:貴族令嬢。俺にだけなつく4

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:貴族令嬢。俺にだけなつく3 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、エレナとルーナに同時に告白され、三人で幸せになる為の答えを出した我らが主人公、ベレトであるが。彼の身に何が近づいているかというと。それは卒業式、彼も世に出るという事で。それは幸せになる為には必要なプロセス。そして終わりを見据える事で新たな展開が始まっていくのが今巻なのである。

 

 

そして忘れてはいけぬ、この作品にはまだ、ベレトの傍に居るヒロインがいると言う事を。専属侍女であるシア。彼女のターンでもあるのが今巻である。

 

「わたしと同じ状況なのに、心の余裕を感じますから」

 

「一応言っておくのだけど、初めてできた恋人がベレトよ? あたしも」

 

初めての恋人が出来た事で、エレナとルーナの心の中に生じた変化。余裕をなくしそわそわしてしまうルーナ。対し、それなりに異性と関わってきたのでまだ余裕はあるエレナ。しかし共通なのは、二人にとってベレトが初めての恋人であると言う事。少しずつ卒業、という言葉も聞こえてくる中。2人も恋人が出来た事で、ベレトの学園生活は変化の色を見せていく。

 

二人の関係がもっと仲良しになった事で、ベレトを照れさせる言葉が二倍くらいにはなったり。

 

「これはね、台本を書いてるの」

 

登校を始める事になった、前巻で知り合った令嬢、アリアがベレトにお礼を言う為に、ぽんこつな内面を何とか取り繕おうとあわあわしながら接近して来たり。

 

「その自信を持てるように努力するよ」

 

そんな中、エレナにご褒美、と称していいものを貰ったり。相変わらず図書室には籠ってはいるものの、少しは社交的になったルーナに、思い切り甘えられたり。甘さを加えた学園生活を過ごす中、見据えるのは卒業後。ルーナも卒業してくるまで待つために、しかし待つだけではなく。領地を継ぐために実践的な勉強もして、きちんと生活していくための基盤を整えていくために動き出す。

 

しかし残されるのはルーナ、だけではなく。学年的にシアもまた残される事は明白。そんな彼女も、ベレトの隣にいる為に歩き出す。二人で出かけて、花園を見て。膝枕なんかをしてみたりして。夜、同衾をお願いしてみたり。

 

「本当にお慕いしております・・・・・・。 本当に、本当に大好きです・・・・・・」

 

 

甘えん坊な自分も、侍女としてお仕えする自分も。 どちらの自分も受け入れてくれるベレト、最愛のご主人様。 溢れ出す思いは止められず、彼女もまた、ベレトへ改めて思いを告げていくのである。

 

より甘さ増して深めていく今巻。シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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