読書感想:クラスのぼっちギャルをお持ち帰りして清楚系美人にしてやった話7

 

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読書感想:クラスのぼっちギャルをお持ち帰りして清楚系美人にしてやった話6 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

くっついて離れて、時に近距離で、遠距離で。出会いと別れ、繰り返して何度目か。ようやく二人で同じ方向を向いて歩いていける道を見出した晃と葵であるが。そこまでいけば、後は夢を叶えました、とダイジェストにする訳にもいかぬ。最後の試練、未来へ進む為の最後の壁。そこに至るまでの道、その先の道を描く大団円となるのが今巻なのだ。

 

 

『ううん・・・・・・嫌じゃないよ』

 

しかし一先ずやるべきことは一つ。晃たち受験生にとってやるべきことは勉強。だけど恋人同士の時間も忘れずに。黄金週間中にある葵の誕生日。2人だけでお泊り、という目標を叶える為早めに受験勉強に励むも行き先決めに四苦八苦。困って泉に相談したら、隠れ家的な山奥の温泉旅館を紹介され。迷う事もなくそこに決める中。心の内で高まるのは、恋人同士としてのステップアップ。そこへ向けての準備が高まる中、あっという間に旅行の時はやってくる。

 

「もう二年近くも前のことなのか」

 

旅館に行く前に小川で遊んだり、野生動物を写真に収めたり。旅館に行っても二人で受験勉強したり。トレッキングして二人で星空を見上げたりもする中、お互い何処か初体験の事を意識して。だけどお互い間が悪くなったりして、結局初体験には辿りつけなくて。

 

「ずっと寂しい思いをさせてきた。もう二度とあんな顔をさせたくない」

 

だけどそれでもいい。その機会はいつかはきっと、あるから。まず大切なのは筋を通す事。葵の父親にも頭を下げ、晃の両親にもお願いして。そこで明かす己の本心。もう涙は見たくない、だからこそ共に、勿論責任も取るから、と。 真っ直ぐにお願いし許可も貰って残るは本番。全部準備を整え、まず向かうのは受験本番。

 

「この春から、また一緒に通えるね」

 

そして迎えた本番の先、そこにあるのは嬉しい驚き。葵と同じ大学に通える事になり、いよいよ二人で一緒の生活が始まる。

 

「俺と結婚してください」

 

そして、七年の後。かつて暮らした街に就職して戻って、かつて暮らした家で二人で暮らして。変わっていく街並みの中、変わらずにいてくれた出会いの場所で。心を込めてお願いするのは、次のステップへのお誘い。そのお誘いは当然受け入れられて。恋人から家族へ、新しい未来が軽やかに始まっていくのだ。

 

最後の大団円まで軽やかに優しく駆け抜けて、万感の思い溢れる今巻。シリーズファンの皆様は最後まで是非。

 

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