読書感想:青春2周目の俺がやり直す、ぼっちな彼女との陽キャな夏2

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:青春2周目の俺がやり直す、ぼっちな彼女との陽キャな夏 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

さて、前巻で藤ヶ谷は何故かタイムリープをし、かつて恋した相手である羽純との青春をやり直そうとしている訳だが、戻ってきた現在では何故か美羽が自分の隣にいて、という状況までは前巻を読まれていればご存じであろう。一体何が起きているのか、何故彼女は隣にいないのか。その辺りについての展開もあり、再び新たな未来へ動き出すのが今巻なのである。

 

 

「―――だけど今は、あたしを見て」

 

変えた筈の未来にいた美羽にキスをされ、再びタイムリープをし。しかし戻ったのは前回戻った時間軸ではなかった。今回戻ったのは前巻から二年後、高校生の時分。妹から聞き周囲の話を聞いて判明したのは、一周目とは違い割とレベルの高い進学校に通っていると言う事。

 

「中学卒業する前の夏に別れちゃったじゃん」

 

前に通っていた中学からの進学組も多い学校であった為、幸いにもかつての仲間達にも再会する事が出来て。だけどそこには、羽純だけがいない。どういう事か、聞いてみれば判明したのはどうも中学校卒業前に別れてしまい、羽純は転校してしまい何処に行ったのか行方不明、という事。 未来を変えることは出来たのは確か、今は陰キャではなく人気者の陽キャの地位を確立してはいるらしい。だけど羽純だけはいない。仲の良い友人ポジションに美羽が収まっている中、始まる日々の中。どうしても羽純の面影を追い求めてしまう藤ヶ谷。面影が陽炎の様に揺らぐ中、学校にあったひまわり畑にて。一周目の人生で転換点となってくれた日輪先輩に遭遇し。頼み込んで教えてもらったのは、羽純はこの近くにある全国的に有名なお嬢様学校に通っていると言う事。

 

「わたし以外の誰かと」

 

仲間の手を借り、潜入を果たす事は出来たものの、何故か拒絶されてしまい。訳の分からぬ態度に落ち込む中、美羽から自分が元気にしてあげると宣言され。嘆いている暇もない夏休みが始まる中、夏祭りで美羽に告白され。だけど自分が好きなのは羽純だから、と断って。何かを選ぶと言う事は何かを選ばない、という事。最後に一度だけ、と羽純を呼び出してもう一度だけ向き合う。

 

「わたしも、覚悟を決めたよ」

 

例え自分の大切なものを差し出すとしてでも、と真っ直ぐに想いを告げて。その心が羽純の心を動かす事が出来て。だけど、唐突に二人の未来は奪われる。だからこそ、今度こそと。最後のタイムリープに挑んでいくのである。

 

更なる謎も垣間見える中、勢いを増していく今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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