読書感想:勇者パーティーをクビになったので故郷に帰ったら、メンバー全員がついてきたんだが2

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:勇者パーティーをクビになったので故郷に帰ったら、メンバー全員がついてきたんだが - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻でこの作品の趣旨は分かっていただけたかと思うが、この作品はこまけぇこたぁいいんだよ、という事で真っ直ぐにハーレムしていくお話である。レキ、リュシカ、ユウリという可愛い三人の嫁を貰ったジンという青年のお話である。そんなジンが中心にいるからこそ、このハーレムは成り立っていて。三人が共有と言う道を選べた、というのが理解できてくるかもしれぬのが今巻である。

 

 

「・・・・・・ごめん。もっと早く言っておくべきだった」

 

前巻にて魔王の娘であるヒナが巻き起こした騒動により結婚指輪がぶっ壊れてしまい、作り直す為に各種族の国を巡らねばならぬ中、ジンが気にかかるのはヒナの事。悪意も何も無いから聖剣の浄化の力が効かず、何とか話し合いで歩み寄れないか、という事を嫁たちに明かして。方向性がまとまる中、まずはリュシカの故郷であるエルフの里へと向かってみようという事になり、出発していく。

 

「あら、独占欲を発揮しちゃって」

 

どこか帰りたくなさそうにしているリュシカ。その理由は隠されているエルフの里に行った時に判明する。ジンたちのイメージしているよりも、エルフと言うのは割とファンキーな存在であり。ちょっと歪んだ愛情持ちの義兄、ゲインだったり発情期に任せて同胞を性的に食べていたら百人と結婚していた義姉、カルネアに衝撃を受けたりしつつ。リュシカの父親であり族長でもあるエルフォンに挨拶を済ませ、無事に結婚を認めてもらう事となる。

 

そこで課されたのは、エルフにとっては国宝であり、結婚指輪に必要な宝珠を創り出している「エルフの宝樹」、それに「愛」を示す事で、宝珠を得よと言うもの。やけにセックスさせようとしてくるカルネアやらエルフォンに疑問を感じつつ、段々とリュシカを意識してしまっていく中。魔族の研究者であるマードリィを引き連れたヒナが、ジンを攫うべく乱入してくる。

 

「もちろん。いくらでも付き合うよ。それがたとえ魔王城でだったとしても」

 

だけど、それこそは望んだ好機。ヒナの中に感じる歩み寄りの可能性。それはまだ幼いから、人の事が分かっていないから、愛すると言う事が分かっていないだけ、だから。そこを分かってもらえるように、と戦闘態勢を解いて真っ直ぐに語り掛け。本当の意味での向き合いを経て、ヒナの中での戦闘への炎が沈下し。彼女も、人間との共存の道を考え始める中。魔王が娘の事を大切に思うが故に、一つの道を選ぶことを決めていく。

 

 

より甘さが際立ち深まっていく今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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