読書感想:最強英雄と無表情カワイイ暗殺者のラブラブ新婚生活2

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:最強英雄と無表情カワイイ暗殺者のラブラブ新婚生活 1 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で夫婦として辺境の村で新婚生活を始めたエルドとクロエであるが。今は一般人、であっても彼等はそう簡単には引退できないというのは前巻を読まれている読者様であればご存じであろう。彼らにしか対応できぬ敵がいるように、彼等の力はまだ求められる。そしてそれは、抑止力としても。ただそこにいるだけで注目を集め、害意あるものを遠ざける。そんな役割も出来てしまうからこそ、彼等は真の意味で落ち着ける時は、なかなか来ないのである。

 

 

そも、もしその威光が通じぬ時が来るとしたら。それは彼等英雄と言う存在が忘れられた時であろう。それはきっと本当の意味で彼等が一般人に戻れると言う事なのかもしれない。

 

「ここまで真剣に話し合う必要、あります? これ?」

 

と、まぁそんな日がいつか来るとしても今ではなく。期せずして朝帰りしてしまったエルドにクロエが拗ねたりするその裏、レオンハルト達により進むのは夫婦の新婚旅行計画。海辺の温泉街、そこは世界各国の首脳たちが集まる定例会議、サミットが開かれる場所。そこに迫っているのはかつてクロエも取り逃がした暗殺者集団、「黒星」。

 

「決してお二人の邪魔はしませんしさせないと誓います―――世界樹の精、ユグドラシルに誓って」

 

そんな場所への招待状を持ってきたのは、エルド達と同じく英雄の一人であり、「匣の英雄」と呼ばれるエルフの青年、クラウス。その裏にきな臭さを感じつつ、クラウスからエルフとしては最上級の誓約を受けた事で。結局了承し、二人はサミットの開かれる街へと新婚旅行へ向かう事になる。

 

その街で待っているのは、エルドの姉であるヴィエラとの出会い、かつては敵対するばかりだった魔獣との新たな共存の形。クロエの可愛い一面を新たに発掘したりしながら。その裏、レオンとヒナによるエルド達を撒き餌にした暗殺者達の殲滅が恙なく進んでいく。

 

「殺せるものなら、な」

 

かつて敵対していた「黒星」の長と出会い、本気の殺気で釘を刺したり。

 

「命令が、なんだというのです」

 

まだまだふがいないヒナに、クロエがかつて心の痛みを味わった身として、彼女の判断ミスを叱った後に、彼女の出来をきちんと褒めたりして。

 

「何気なく当たり前な今が、とても特別、なんですね」

 

何気ない日々の中で、普通な幸せを実感して。そんな日々がまだこれからも続きますようにと祈って。彼等の生温い幸せの日々はこれからも続いていくのである。

 

より幸せに踏み込み続いていく今巻。前巻を楽しまれた方は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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